イングリッシュ・エレクトリック

イングリッシュ・エレクトリックの概要

イングリッシュ・エレクトリック（English Electric）は、1918年にロンドンで設立されたイギリスの総合電機メーカーで、その製品は電動機、鉄道機関車、航空機、コンピュータに及んでいます。最初は電動機の製造から始まりましたが、技術の進展と共に航空機や鉄道車両の生産も行うようになり、産業の多様化を図りました。1968年にはゼネラル・エレクトリック・カンパニーに買収され、長い歴史を持つ企業の一つとなりました。日本では、前身の1つであるディック・カー・アンド・カンパニーから派生した通称「デッカー」で親しまれています。

創業と初期の歴史

設立当初、イングリッシュ・エレクトリックは電気系統事業者により平和的な技術利用を目指して設立されました。創業から数年後の1919年には、プレストンを拠点にしたディック・カー・アンド・カンパニーを併合し、製造部門が移行されました。この時期、同社は積極的に他社を買収し、事業を拡大していきました。特に、1926年には航空機部門を開設し、第一次世界大戦に関連した航空機の製造も行いましたが、予想以上の利益を得ることはできませんでした。

中期の成長

1930年代に入ると、イングリッシュ・エレクトリックはサザン鉄道の電化プロジェクトでの設備供給を通じて知名度を高め、電気鉄道事業が注目されるようになりました。また、同社は第二次世界大戦中にハンドレページ・ハンプデン爆撃機の生産を拡大し、セームルズベリーに新しい工場を建設しました。戦争の終結後も、デ・ハビランド・バンパイアなどの新しいジェット戦闘機の生産に取り組むなど、航空機製造に力を入れました。

コンピュータと誘導兵器

イングリッシュ・エレクトリックは、1950年代にコンピュータ事業にも参入しました。この分野の発展は契約に基づいたものであり、最終的にはICLの一部となりました。また、誘導兵器部門でも独自の製品を開発し、地対空ミサイルや戦術核ミサイルなども手がけました。戦後間もなく、様々な技術の導入により業務を多角化させ、装備の近代化に寄与しました。

買収と統合

1960年代に入ると、イングリッシュ・エレクトリックは他の企業との合併や買収を進め、特にGECなどとの資本提携が注目されました。最終的に、1968年にはGECによって買収され、事業の統合が図られました。この買収により、イングリッシュ・エレクトリックは新たな局面を迎え、その技術や製品は今も多くの産業に影響を与え続けています。

代表的な製品

イングリッシュ・エレクトリックが製造した代表的な製品には、航空機、コンピュータ、誘導兵器、鉄道機関車などがあります。特に、航空機部門では、ハンドレページ・ハンプデンやデ・ハビランド・バンパイア、ライトニング戦闘機などが有名であり、鉄道部門では多くのディーゼル機関車がイギリス国内外で使用されました。これらの製品は同社の革新性や技術力を象徴するものであり、イギリスの産業発展に大きく寄与しました。

イングリッシュ・エレクトリックは、その設立以来、数々の技術革新を成し遂げ、幅広い分野での活動を通じてイギリスの電機産業の歴史を築いてきました。

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