ウェブ魚拓

ウェブ魚拓について

ウェブ魚拓（ウェブぎょたく）は、Webページのスナップショットを保存するための便利なアーカイブサイトで、主に利用者が過去の情報にアクセスしやすくするために設計されています。このサービスは、特に引用・リンク元の記事が時間の経過とともに削除されてしまう問題を解決するために重要な役割を果たしています。

リンク切れの問題

新聞社やニュースサイトでは、記事が一定期間後に削除されることが一般的です。例えば、放送局では数時間、新聞社ではまちまちで、1週間から1ヶ月程度で記事が消去されてしまうことが多いです。このため、利用者は情報を確保する手段がなく、引用元の記事がリンク切れとなることがしばしばあります。

過去の典型的な事例としては、2005年に開催された日本国際博覧会の関連情報がすぐに消去されてしまったことが挙げられます。多くの主要新聞の特集ページは、数年後には閲覧不能になり、情報が失われるという状況があったのです。

ウェブ魚拓の仕組み

ウェブ魚拓は、局所的に特定のURLをユーザーが入力することで、保存したいページの内容をアーカイブする形式を採用しています。保存されたページの内容は、リンク元が消失しても、ユーザーがウェブ魚拓のキャッシュからアクセス可能です。特に、画像データやその他のコンテンツも保存されるため、ページ全体をほぼ完全に再現できます。

ただし、一部のウェブサイトはアクセスを遮断しているため、その点には注意が必要です。また、有料会員になることで、キャッシュする際に自分のサーバーに保存し、非公開にすることが可能となります。このため、弁護士などの専門職が証拠保全のために利用するケースも見受けられます。

創立の背景

ウェブ魚拓の創業者である新沼大樹氏は、社民党のサイトで北朝鮮拉致問題に関する情報が突然消えたことをきっかけに、このサービスの開発を始めました。その後、ウェブ魚拓は数回のサーバー移転を経て、現在は安定した運用が行われています。

さらに、2010年11月にはバックアップ処理の誤動作が発生し、2007年以前のデータを一部失ってしまったことが公式に発表されています。この事故はサービスの運用上、重要な教訓とされています。

企業概要

ウェブ魚拓は株式会社アフィリティーに属し、同社はゲーム開発など他の事業も展開しています。かつては宮城県仙台市に本社がありましたが、現在は新沼氏の妻の実家である愛知県のレストランに移転しています。

最近の動向

近年、ウェブ魚拓は取得禁止タグに関する変更を行い、過去に保存していたコンテンツの取り扱いが見直されています。特に2023年7月には、noarchiveタグの取得禁止が強化されるなど、リソースの管理が厳密に行われています。

このようにウェブ魚拓は、情報の保存とアクセスの利便性を向上させ、インターネット上の情報を後世に残すための重要なツールとして多岐にわたって利用されています。

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