ウエストひかり

ウエストひかり

ウエストひかりは、1988年から2000年まで西日本旅客鉄道（JR西日本）によって山陽新幹線で運行されていた列車愛称であり、特に独自のサービスや快適な旅を提供することを目的として設計されました。

導入の背景

1987年に山陽新幹線が国鉄からJR西日本に引き継がれた際、主要なサービスは「こだま」や早朝深夜の「ひかり」に限られ、便数は少ないものでした。競合激しい京阪神と北九州市・福岡市間の路線で航空会社と競争するため、JR西日本は0系を改良し、新しい列車「ウエストひかり」を導入しました。

車両・編成と塗装

ウエストひかりの車両は、従来の0系とは異なり、100系に似たスタイルの塗装が施されました。最初はアイボリーホワイトであったが、1990年10月からはパールホワイトに変更され、停車駅案内には「ウエストひかり」を表すWの文字が使用されるようになりました。

特に、車両は延命工事や内装更新を経て、快適性に重点を置いて設計されていました。編成は6両WR編成が用意され、通常のこだま編成とは明確に区別されていました。座席の配置は、2列+2列の横4列シートを採用し、またグリーン車やシネマカーを含むバリエーション豊かな編成が搭載されました。

車両設備と内装

「ウエストひかり」では、運行開始に際して内装の質に力を入れ、特に普通車では回転可能な席が導入されるなど、乗客の快適性を追求しました。また、ビュフェ車が「カフエウエスト」として生まれ変わり、様々な飲食サービスが提供されるようになりました。この食堂車は、丸玉給食が運営するカレーライスが人気でした。

シネマカーとエンターテインメント

「ウエストひかり」はシネマカーを搭載し、移動中に映画が上映されるサービスも行われました。客室は特別に設計され、50インチのスクリーンと本格的な音響設備を備え、乗客は新幹線の旅をしながら映画を楽しむことができました。しかし、上映時間の制約や運行の制約から、人気が限られ1994年にサービス終了となりました。

運行と停車駅

ウエストひかりの運行は、新大阪駅から博多駅間を結び、速達タイプは途中3〜4駅停車、他の列車は途中5駅以上停車するようになっていました。運行開始時の便は1日4往復から始まり、その後需要に応じて増発され、最終的には最大10往復までに達しました。

引退と運用終了

2000年には700系「ひかりレールスター」の運用開始とともに「ウエストひかり」の運用も終了しました。多くの「ウエストひかり」で用いられていた0系は老朽化しており、代替えが必要とされていました。最終運行は2000年4月21日で、12年間にわたるウエストひかりの歴史にピリオドが打たれました。

総括

ウエストひかりは、独自のサービスや快適性を追求する中で、多くの乗客に記憶に残る旅行体験を提供しました。運行終了後も、そのスタイルやサービスは多くの鉄道ファンや旅行者に愛され続けています。

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