エネルギー管理士

エネルギー管理士について

エネルギー管理士とは、専門の試験に合格するか、エネルギー管理に関する研修を受けることで、エネルギー管理士免状を取得した資格者を指します。特に、規定のエネルギー使用量を超える工場では、エネルギー管理者を必ず置かなければならず、その役割を担うのがエネルギー管理士です。

制度の概要

エネルギー管理士制度は、工場や事業所がエネルギーを効率的に使用することを目的に設けられています。具体的には、製造業、鉱業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業といった業種に分類される事業所は、事業の規模に応じて、エネルギー管理士免状を持つ者をエネルギー管理者に選任する必要があります。例えば、第一種エネルギー管理指定工場では1人から4人のエネルギー管理者を選任しますが、第二種の場合はエネルギー管理員を設ける必要があります。

2023年7月末の時点では、第一種エネルギー管理指定工場は7,502、第二種は6,950とされています。この制度のもとでは、「エネルギーの使用の合理化に関する実務経験」が求められ、資格を取得するための条件となっています。

資格取得の方法

エネルギー管理士の資格を取得するには、大きく分けて2つの方法があります。1つは、一般財団法人省エネルギーセンターが実施するエネルギー管理士試験に合格する方法です。この場合、受験者は熱分野または電気分野を選択し、合格基準に達することが必要です。試験科目は、必須基礎課目と選択専門課目から成り立っています。

もう1つは、エネルギー管理研修を受講し、その修了証をもとに免状申請を行う方法です。この研修では、エネルギーの使用の合理化に関連した実務を重視しており、受講者は3年以上の実務経験が求められます。修了試験に合格し、所定の手続きを経て免状が交付されます。

職務内容

エネルギー管理者の主な職務は、エネルギーの合理的な使用を促進することです。具体的には、エネルギーを使用する設備の管理やエネルギー使用方法の見直し、効率化の提案、監視業務などが含まれます。これらの業務は経済産業省によって定められたルールに従って実施され、工場のエネルギーコストの削減や環境保全に寄与する役割を担っています。

合格試験と研修の詳細

エネルギー管理士試験は毎年1回行われ、試験科目は、エネルギー総合管理及び法規が必須で、その後に選択専門課目として熱分野と電気分野が設定されています。受験の申し込みは、毎年5月から6月に行われ、試験は8月に実施されます。受験地は全国各地に設けられ、受験手数料は17,000円です。合格発表は9月中旬に行われます。

研修についても、毎年冬に全国で実施され、研修受講期間は9月から10月に申し込みが行われ、12月中旬に7日間のプログラムが提供されます。受講料は新規受講の場合70,000円で、特に資格を持つ者には割引があります。

まとめ

このようにエネルギー管理士制度は、エネルギーの効率的な利用を推進し、国の省エネ政策に寄与する重要な役割を果たしています。エネルギー管理士は、産業界だけでなく、環境保全の観点からもますます重要な存在となっていると言えるでしょう。

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