エンディングノート

エンディングノートについて

エンディングノートとは、高齢者が自らの人生の最期を迎えるにあたり、その希望や思いを記したノートのことです。このノートには、自身の死後や、病気によって意思疎通が難しくなった際に、どのような希望を持っているのかを明確に記すことが求められます。特に、記載されることが多い内容として、事前指示と呼ばれる事項があります。

エンディングノートに記載する内容

エンディングノートに含まれる情報は、基本的には任意です。しかし、以下のような項目が一般的に記載されることが多いです：

• - 延命措置に対する希望：病気になった際に、延命を望むかどうかを明示することができます。
• - 介護に関する希望：自身が介護を受ける必要が生じた場合、どのような介護を希望するのかを記録します。
• - 財産や貴重品に関する情報：所有する財産や貴重品についての情報を整理し、後のために明確にすることが重要です。
• - 葬儀に対する希望：自分の葬儀に関する希望を事前に書き留めておくことができます。
• - 相続についての考え方：遺産分配について、どのようにしたいのかを考え、記述しておくことが重要です。
• - 自分史やプロフィール：自身の人生の出来事や重要な瞬間を振り返り、記録することで、後に家族が理解しやすくなります。
• - 家系図：家族のつながりや背景を示すため、簡単な家系図を作成しておくことも役立ちます。

エンディングノートは、法的効力がある遺言とは異なり、主に家族や周囲の人々の負担を軽減することを目的としています。つまり、自分の考えや希望を先に伝えておくことで、多くの悩みを解消し、スムーズな手続きに繋がります。

エンディングノートの普及

近年、エンディングノートは書籍や文具として一般販売されています。また、自治体やNPOなどでは、エンディングノートに関する講座を開催したり、ノートを無料で配布したりする取り組みも増えています。こうした活動は、高齢者が自分の希望を気軽に記入できる機会を提供すると同時に、終活に対する理解を深めるものとなっています。

2011年には、エンディングノートをテーマにした映画『エンディングノート』（監督：砂田麻美）が公開され、日本製のドキュメンタリー映画として話題になりました。この作品は、「ゆきゆきて神軍」（1987年）の作品以来、初の興行収入1億円を超える成功を収め、多くの観客にその重要性を伝えることとなりました。

まとめ

エンディングノートは、高齢者が人生の終末期において、自身の希望をまとめるための重要なツールです。自分自身が望むことを書き出すことで、家族や周囲にも理解を深めてもらう対策となります。また、事前に思いを示しておくことで、最期の瞬間をより思いやりに満ちたものにすることができるでしょう。

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