エンフォーサー

エンフォーサー (Enforcer)

エンフォーサーは、スウェーデンのアルヴィカで2004年に結成されたヘヴィメタルバンドで、主にニュー・ウェーブ・オブ・トラディショナル・ヘヴィメタル（NWOTHM）のスタイルで知られています。バンドは、80年代の英国を中心としたニュー・ウェーブ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル（NWOBHM）から強い影響を受けており、エキサイターやアンヴィル、さらに初期のメタリカからも影響を受けた楽曲が特徴です。

オロフ・ヴィクストランドを中心に始まったこのプロジェクトは、最初はソロ活動としてスタートし、01年にネットでデモ音源『Evil Attacker』を公開しました。このデモからアメリカのヘヴィ・アーティレリーと接触し、彼らのコンピレーションに収録されることとなります。

その後、バンド体制に移行し、オロフと共に弟のヨナス、アダム・ゾーシュが加入し3人編成が形成されましたが、短期間でメンバーの役割が変化し、より安定した4人体制へと移行します。2007年から2008年にかけて、スウェーデンを含むヨーロッパ各国でのツアーを展開し、2008年にファースト・アルバム『Into The Night』をリリースしました。

アルバムのリリース後には新たなメンバー交代があったものの、ツイン・リード・ギター体制を確立し、次第にライブパフォーマンスでも力を発揮するようになりました。翌年にはセカンド・アルバム『Diamonds』を発表し、再びヨーロッパツアーを行っています。特に2011年の日本公演は、多くのファンにとって待望のイベントとなりました。

2012年にはニュークリア・ブラストと契約し、自己プロデュースによるサード・アルバム『Death By Fire』を発表しました。このアルバムは、エンフォーサーのスタイルをさらに発展させ、国内外でのツアーを通じて多くの支持を得ました。2014年にはカナダやオランダのバンドと共に30公演にも及ぶツアーを成功させ、バンドの名声を確固たるものにしました。

2015年には4thアルバム『From Beyond』をリリースし、この作品ではメンバー自身が音楽制作だけでなくマスタリングまで手掛けるなど、より深い表現力を持たせています。その後も日本でのライブを含むツアーを続け、アルバムのセールスも好調でした。バンドの活動はさらに2019年に5thアルバム『Zenith』のリリースに続き、音楽スタイルの革新と大胆な実験が特徴的です。特にこのアルバムは、オロフが「最も野心的なプロジェクト」と評しているように、これまでのヘヴィメタルの枠を超えた新たな試みがなされています。

最新のライブアルバム『Live By Fire II』は、メキシコでの公演を収録し、バンドの進化とライブパフォーマンスの迫力を証明する作品となっています。エンフォーサーはこれからも、自らの音楽スタイルを磨き続け、ファンを魅了し続けることでしょう。

もう一度検索