オカピ

オカピ（Okapia johnstoni）

オカピは、哺乳綱偶蹄目に分類される唯一のオカピ属に属する動物です。この独特な種は、コンゴ民主共和国の中部、北部および東部に生息していますが、ウガンダでは絶滅しています。

形態

オカピは体重が200〜300キログラムで、体長は1.9〜2.5メートル、肩の高さは1.5〜2.0メートルです。また、オスの体重は約250キログラム、メスは約300キログラムに達します。全体的な体型はウマに似ており、胴体は黒褐色から明るい茶色をしていますが、特徴的なのは四肢にある白と黒褐色の縞模様です。特に後脚の模様が顕著で、これが森林でのカモフラージュとして機能しています。

幼獣は出産直後に14〜30キログラム程度の体重を持ち、オスには小さな角が生えています。長い首と独特な舌を持つオカピは、シマウマの仲間と誤解されがちですが、実際にはキリンの仲間であり、2つに分かれた蹄を持つ特徴があります。この2つの蹄は、オカピが草原での生活に適応して進化したキリンとも関連しています。

分類

オカピの存在が初めて記録されたのは1874年から1877年にかけてのヘンリー・モートン・スタンリーによる探検です。当時のウガンダ総督、ハリー・H・ジョンストンが1899年にコンゴで現地住民から得た情報を基に、オカピの足跡を発見しました。1901年には彼がキリン科に分類するための重要な標本を入手し、オカピの正体が解明されました。

生態

オカピは標高500〜1,000メートルに広がる熱帯林に生息し、時には標高1,450メートルの山地でも発見されることがあります。通常は単独またはペアで行動し、オスの行動圏は10.5平方キロメートルにも及び、1日に平均4キロメートルを移動すると言われています。食性は主に木の葉に依存しており、天敵としてはヒョウがいます。

オカピの繁殖サイクルは約2週間で、妊娠期間は414〜493日です。通常は1回に1頭の幼獣を生みますが、時には2頭の出産もあります。子供は生後約30分で立ち上がることができ、母乳の栄養価が高いため、最初の1〜2か月は排便しないことが多いです。授乳期間は約6か月ですが、1年以上の例も報告されています。

人間との関係

オカピの生息数は、主に森林伐採や鉱山開発、狩猟によって減少しています。特に、保護活動が武装勢力によって妨げられることがしばしば起きています。例えば、2012年にはOkapi Wildlife Reserveが襲撃され、多くのオカピが犠牲になりましたが、保護活動は続けられています。コンゴ民主共和国ではオカピは法的に保護されており、地域の経済発展を目指した取り組みも行っています。

ドイツのフランクフルト動物園では、オカピの繁殖に初めて成功し、1999年には日本の動物園にも導入されました。

関連項目

• - オカピ野生生物保護区（世界遺産、コンゴ民主共和国）

もう一度検索