おじさん構文

おじさん構文とは

おじさん構文（おじさんこうぶん）とは、主にSNSやLINEで見られる中年男性特有のメッセージスタイルを指します。このような言葉遣いや文体は「おじさんLINE」とも称されることがあります。また、中年女性が発信する場合は「おばさん構文」と表現されることもあります。

この表現は、2017年4月にTwitterで投稿された「オジサンになりきろう講座」が起源です。この投稿では、中年男性のようなLINE文章が紹介されました。「構文」という言葉は普段の意味とは異なり、この場合は「文体」を意味しています。2022年には「三省堂 辞書を編む人が選ぶ『今年の新語2022』」において、代表的な新語として2位に選ばれました。

特徴と文体

おじさん構文の文体には、いくつかの顕著な特徴があります。まず、絵文字や顔文字が頻繁に使用されることが挙げられます。これによって、メッセージの雰囲気を柔らかくしようと試みるものの、逆に読み手に不快感を与える場合が多く見受けられます。さらに、文中の片仮名や句読点の乱用もおじさん構文の特徴です。例えば、文章の中で汗をかいた顔の絵文字や、感嘆符に「‼️」を好む傾向があります。

また、相手に親しみを感じてもらおうと、「チャン」をつけて名前を呼びかけることもあります。しかし、突然呼び捨てになるなど、不自然な距離感を生む場合があります。こうしたスタイルは、若者にとって特に理解しにくいと感じることが多いです。

内容の特徴

おじさん構文の内容は、相手との親密さを求めるあまり、一方的にメッセージを送ることが多く、時には上から目線での発言が見られます。例えば、上司が部下に対して不必要な絵文字を用いることから、意図せずおじさん構文になってしまうことがあります。また、相手に対するリスペクトを欠いた内容や、冗長な表現が多い点でも悪評があります。

時にメッセージは日記のような形式をとり、自己中心的な近況報告が続くことが見受けられます。おじさん構文を使う人々は、仕事などで使うメール同様に、長文でメッセージを送ろうとする傾向が強く、これが冗長さを助長しています。

若者との認識の違い

若者世代は、LINEなどのSNSで短文やスタンプを使ったコミュニケーションを好むため、おじさん構文との間に明確な文化的ギャップが存在します。特にキャバクラやコンセプトカフェで働く若者たちからは、おじさん構文の内容よりもその文体が問題視されています。

送信先の女性目線が欠如しているため、発信者は相手がどのように受け取るかを考慮していないことが多いのが特徴です。自己評価が低い人ほど、この構文を使う傾向があるとも言われています。

実例とその影響

実際に、おじさん構文が問題視された事例として、2021年9月に元AKBの梅澤愛優香がラーメン評論家から受けたセクハラの告発があります。この評論家は、自分の言動が「おじさん構文」と呼ばれるものだと認めました。このように、インターネット上でのやりとりが文化的な問題を引き起こすことも珍しくありません。

また、2021年11月には『オジサンメッセージ』や『おじさん構文、つくっちゃおうｶﾅ?😁👍』などの同人カードゲームがリリースされ、楽しむ一方で、おじさん構文の問題点を軽視したコンテンツとしても捉えられることがあります。

まとめ

おじさん構文は、中年男性のメッセージスタイルであり、若者世代とのコミュニケーションにおける大きな隔たりを反映しています。その内容や特徴を理解し、適切なコミュニケーションを行うことが、今後ますます重要になるでしょう。

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