ガラスの花と壊す世界

映画『ガラスの花と壊す世界』

『ガラスの花と壊す世界』は、2016年1月9日に公開された日本のアニメ映画で、ポニーキャニオン主催の「アニメ化大賞」で大賞を受賞した創作ユニットPhysics Pointの作品『D.backup』をもとにしています。この物語は、環境破壊によって滅亡した地球を背景に、仮想空間「知識の箱」での冒険を通じて、人類の未来について問うものです。

ストーリーの概要

物語は、「知識の箱」と呼ばれる浮遊する無重力の空間から始まります。この箱には多くの世界が存在し、疑似的な時間が流れています。主人公たち、アンチウイルスプログラムの少女たち、デュアルとドロシーは、世界を侵食するウイルスとの戦いに身を投じています。彼女たちの使命は、ウイルスに侵された世界を消去し、平和を取り戻すことです。

ある時、彼女たちは新たなウイルスを感知し、それに感染した少女を助けることにします。この少女、リモは記憶を失っており、自分が何者で、なぜこの場所にいるのかを思い出せません。「お花畑に帰らなければならない」という彼女の言葉が物語の鍵となります。リモを救ったことにより、彼女たちは新たな冒険へと踏み出し、それぞれの想いが交錯することになります。

主要キャラクター

• - リモ（声：花守ゆみり）

知識の箱に迷い込んだ少女。彼女は自分の名前以外は何も覚えておらず、デュアルとドロシーに救われます。記憶を取り戻すことで、自らの存在の意味を知ろうと奮闘します。

• - デュアル（声：種田梨沙）

アンチウイルスプログラムとして知識の箱を守る役割を担っています。彼女は冷静沈着で寡黙な性格ですが、リモとの出会いを通じて、さまざまな感情を体験し成長していきます。

• - ドロシー（声：佐倉綾音）

デュアルの相棒で、彼女とは正反対に明るくおしゃべりな性格です。リモとの交流を通じて、友情や家族の絆の大切さを学んでいく。

テーマとメッセージ

『ガラスの花と壊す世界』は、二つの大きなテーマを持っています。第一に、記憶とアイデンティティの探求です。リモは自分を取り戻すため、仲間たちと過去を辿ります。彼女たちの冒険を通じて、記憶がどれほど重要であり、自己を理解する鍵であるかが描かれます。

第二に、友情と絆の大切さです。デュアルとドロシーがリモと共に戦う姿は、仲間との絆が強大な力を生むことを示しています。彼女たちは、お互いの存在を支え合いながら、自分たちの使命を果たすことの意味を学んでいきます。

音楽とビジュアル

映画の音楽は、横山克が手掛け、主題歌「夢の蕾」や挿入歌「もっとメモリー」が物語に深みを与えています。また、ビジュアル面では、色鮮やかで幻想的な描写が多く、視覚的にも楽しむことができます。キャラクターデザインは瀬川真矢が担当し、彼女たちの表現豊かなデザインが劇中で活かされています。

まとめ

『ガラスの花と壊す世界』は、単なるアニメーション作品ではなく、深いテーマを持った感動的な物語です。記憶やアイデンティティ、友情、人間の本質を考えさせ、観客に多くのことを感じさせる作品となっています。アニメの枠を超えて、多くの人に響くメッセージが込められたこの映画を通じて、未来への希望を一緒に見つけてみてはいかがでしょうか。

もう一度検索