カレット

カレット：ガラスのリサイクルを支える資源

カレットとは、リサイクルされるガラス製品、特にソーダ石灰ガラスを破砕した状態のガラスくずです。空き瓶などの廃ガラス製品も、カレットの範疇に含まれる場合があります。

廃棄されたガラス瓶は、回収されカレットへと加工されます。このカレットは、新たなガラス製品の製造工程において、けい砂、石灰石、ソーダ灰などの原料に混ぜて使用されます。カレットを利用することで、ガラス製造に必要なエネルギー消費量を削減できるため、環境負荷の低減に大きく貢献します。リターナブル瓶のような再利用可能な容器と並んで、カレットは循環型社会の実現に重要な役割を果たしています。

割れたガラス瓶もカレットの原料となりますが、リサイクルを円滑に進めるためには、色別の分別が不可欠です。家庭や店舗などで色分けされたカレットは、専用工場へ搬入され、さらに処理されます。この色別分別は、カレット化工場で行うよりも、排出段階や収集段階で行う方が、人的コストを大幅に削減できます。カレット化されたガラスは、最終的にガラス製品製造工場へと送られ、新たな製品の原料として利用されます。

日本のガラス瓶業界団体であるガラスびんリサイクル促進協議会の資料によると、2018年以降は、ガラス瓶の生産量よりもカレットの利用量の方が上回っています。2021年には、102.5万トンものカレットが再利用され、同年におけるガラス瓶原料の約76.1％（75％前後）をカレットが占めています。この高いカレット利用率は、環境保全の観点から非常に喜ばしい状況です。

しかしながら、カレット化されるガラス瓶の回収率は約70％前後であり、残りの30％前後については、回収されずに廃棄されている可能性があります。これは、必ずしも全てのガラス瓶が消費されているわけではないことを示唆しています。また、近年ガラス瓶全体の出荷量が減少傾向にあることも、カレットの利用率の高さを説明する一因かもしれません。

現状、カレットの利用はガラスリサイクルの大きな推進力となっていますが、回収率の向上に向けた更なる取り組みが、循環型社会の実現に必要不可欠です。今後の技術革新や社会全体の意識改革によって、より多くのガラス瓶がリサイクルされる未来が期待されます。より効率的な分別方法や、回収システムの改善、そして消費者一人ひとりの意識的な行動が、カレットの有効活用をさらに促進し、持続可能な社会の実現に繋がるでしょう。

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