キューピー

キューピーの歴史と魅力

キューピー（Kewpie）は、アメリカのイラストレーター、ローズ・オニールによって1909年に誕生したキャラクターです。彼女の作品は、キューピッドをモチーフにした幼児の姿を描いたもので、独特の可愛らしさが特徴です。このキャラクターは、人形や様々な商品に展開され、世界中で愛されています。

キューピーの誕生の背景

キューピーのデザインの始まりは、1903年の冬にオニールがアメリカの雑誌『COSMOPOLITAN』に発表したイラストに遡ります。その後、数回にわたり同様のイラストが雑誌に掲載され、オニール自身も非公式に「キューピー」と呼び始めたとのことです。1909年12月には、『レディース・ホーム・ジャーナル』の物語「The KEWPIES' Christmas Frolic」に登場し、正式に「KEWPIE」という名称が広まりました。

立体化と商品化の道

オニールは読者の反響を受けて、雑誌の付録として紙製の人形を提供し始めました。この人形は簡単に切り抜いて組み立てられるもので、当初から多くの人々に親しまれました。しかし、さらなる立体的な人形の需要に応じて、1912年にドイツの工場でビスク・ドール製のキューピーが試作され、1913年には特許が取得され、現在のような特徴的なキューピー人形が誕生しました。

キューピーの特徴

キューピー人形の特徴には、尖った房のヘアスタイル、丸く大きな目、膨らんだ頬、そして微笑みを浮かべる口元などがあります。体型は2.5から3頭身で、お腹はぽってりとし、羽根を生やしたデザインとなっており、非常に愛らしい存在でした。これにより、キューピーのイメージが確立し、多種多様なポーズが作られるようになりました。

世界的な広がり

ドイツで生産されたキューピー人形はアメリカで大ヒットし、オニールの要請により日本でも製造が始まりました。1914年には東京の千種セルロイドが制作を開始し、その後、日本独自の特徴を持つキューピー人形も誕生します。アメリカでは、新たな製造技術も取り入れられ、多様な材質が用いられました。特にセルロイド製の人形は、色鮮やかで魅力的な商品として人気を集めました。

キューピーと文化

キューピーは、ただの人形にとどまらず、さまざまな文化的要素と結びついています。楽曲やアニメのキャラクターにもなり、広く知られる存在となりました。また、アンネ・フランクの日記にも登場し、彼女がクリスマスプレゼントとしてキューピー人形をもらったエピソードは、その知名度を示すものです。

ブランドの使用と著作権

キューピーのキャラクターは、日本の食品メーカー・キユーピー社や、アメリカのハンバーガーチェーンでも使用されており、商標登録もされています。著作権に関するトラブルも存在しましたが、現在は一般的に広く親しまれており、様々な商品やデザインに影響を与えています。著作権が失効したことで、多くのアーティストや会社がキューピーをモチーフにした製品を作るようになり、より多様な姿で楽しむことができるようになりました。

現代における展開

近年では「キュージョン」と呼ばれるキャラクター展開が行われ、他のキャラクターとコラボレーションした限定商品が展開されています。このようなシンプルで愛らしいデザインのキューピーは、国境を越えて愛され続け、多くの人々に親しまれる存在であり続けています。

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