キン肉マングレート:謎に包まれた覆面超人の系譜
『
キン肉マン』シリーズに登場する
キン肉マングレートは、その正体と変遷が物語の重要な鍵となる覆面超人です。初代、二代目、そして三代目と、異なる人物がそのマスクを被り、それぞれのドラマを繰り広げてきました。
初代キン肉マングレート:カメハメの変身
初登場は「夢の超人タッグ編」。
キン肉マンのピンチを救うため、師であるプリンス・カメハメが自らマスクを被り、
キン肉マングレートとして現れました。黒いマスクとタンクトップ、パンタロンという独特のスタイルで、
キン肉マンとタッグチーム「マッスル・ブラザーズ」を結成し、宇宙超人タッグトーナメントに参戦。カメハメは卓越した技術と冷静な判断力で、
キン肉マンを支え、チームを勝利に導きました。しかし、トーナメント中に
テリーマンを庇い、命を落とします。その際、グレートマスクを
テリーマンに託し、二代目へと繋がるバトンを渡しました。
カメハメの遺志を継ぎ、二代目
キン肉マングレートとなったのは
テリーマンです。彼は初代と同一人物を装い、
キン肉マンと共にタッグトーナメントを戦い抜きました。カメハメのスタイルを模倣しながらも、
テリーマン自身のテキサスファイトを織り交ぜ、独自の戦い方を確立。その正体は、物語の進行と共に徐々に明らかになり、
キン肉マンとの絆を深めていきました。決勝戦では、ヘル・ミッショネルズに正体を暴かれ、
テリーマンとして戦うことになります。
『
キン肉マンII世 究極の超人タッグ編』では、超人オタクの少年カオスが、三代目
キン肉マングレートとして登場します。ひょんなことからグレートマスクを手にしたカオスは、キン肉万太郎とタッグを組み、究極の超人タッグ戦に挑みます。しかし、カオスは戦いの中で自分の記憶を取り戻し、
カオス・アヴェニールとして覚醒。グレートマスクは一時的に失われます。その後、決勝戦では、カオスの親友であるケビンマスクがグレートマスクを着用し、万太郎のパートナーとして戦うことになります。このマスクの継承は、友情と絆の象徴として描かれています。
キン肉マングレートの誕生秘話とデザイン
作者の
ゆでたまごによると、
キン肉マングレートは「スグルとは別タイプの
キン肉マンを出したい」「眉のある
キン肉マンを見たかった」という理由で生まれたキャラクターです。また、ストーリー展開上の理由として、当初から
テリーマンと入れ替わることも予定されていたとのことです。初代のマスクは、デザインの修正を経て現在の形になりました。
キン肉マングレートの戦闘スタイルと必殺技
キン肉マングレートは、初代、二代目、三代目でそれぞれ異なるファイトスタイルを持ちます。初代は、カメハメ仕込みのテクニカルな技が特徴で、マーシャルアーツキックなどの蹴り技を得意とします。二代目は、
テリーマンの持ち味であるテキサスファイトをベースに、初代の技も使用します。三代目は、カオスの機転と、潜在能力を活かした戦いを見せました。
主な必殺技
マーシャルアーツキック: キン肉マングレートを代表する技で、後方宙返りしながら放つキック。
マッスル・ドッキング: キン肉バスターとキン肉ドライバーを合体させた強力なタッグ技。
スピニング・トーホールド: 二代目キン肉マングレートが得意とする関節技。
テキサス・コンドルキック: 二代目
キン肉マングレートが使う、空中から膝蹴りを放つ技。
キング・ジャーマンスープレックス: カオスが得意とするジャーマンスープレックス。
キン肉マングレートの最大の魅力は、その正体と変化にあります。覆面の下に隠されたドラマと、受け継がれる意思は、読者の心を強く惹きつけました。初代から三代目へと受け継がれるマスクは、友情、勇気、そして成長の象徴として物語を彩りました。その個性的なキャラクター性と、熱い戦いぶりは、今なお多くのファンを魅了し続けています。
初代/二代目
○四次元殺法コンビ(ペンタゴン / ブラックホール、マッスル・ドッキング)
○はぐれ悪魔コンビ(アシュラマン / サンシャイン、マッスル・ドッキング)
○ヘル・ミッショネルズ(ネプチューンマン / ビッグ・ザ・武道、3本勝負で2-1)
三代目
○地獄のカーペンターズ(デーク棟梁 / ザ・プラモマン、パワーボム)
○2000万パワーズ(バッファローマン / モンゴルマン、マッスル・エボルシオン)
* ○ザ・マシンガンズ(
キン肉マン /
テリーマン、マッスル・エボルシオン)
まとめ
キン肉マングレートは、単なる覆面レスラーではなく、物語の重要な役割を担うキャラクターです。その変遷は、友情、成長、そして勇気を描き出し、多くのファンに感動を与えました。
キン肉マンシリーズを語る上で、欠かせない存在と言えるでしょう。