クラウドゲーム

クラウドゲームとは

クラウドゲームは、インターネットを通じてストリーミング配信されるコンピュータゲームの新しい形態です。従来は「ゲームオンデマンド」と呼ばれており、クラウドコンピューティング技術の進歩により、さまざまなデバイスで高品質なゲーム体験が可能になっています。この技術には、Google Stadiaのような多様なサービスが存在します。

技術の仕組み

クラウドゲームでは、ユーザーの操作情報がインターネット回線を介してデータセンターに送信され、そこでゲームが処理されます。このため、ユーザーは高価な専用ゲーム機を持たなくても、一般的なPCやスマートフォン、タブレット端末からゲームを楽しむことができます。これにより、ゲーム界の新たな未来が期待されています。

ただし、現在の光通信技術では、レイテンシ、つまり入力から画面に反映されるまでの遅れが問題となっています。特にアクションゲームのように瞬時の反応が求められるゲームでは、レイテンシの影響でスムーズなプレイが難しくなる可能性があります。また、サーバーが遠い場合、レイテンシはさらに増加します。これらの技術的な課題を解決するためには、高速回線の普及が必要です。

レイテンシの緩和策としては、ユーザーの次の操作を予測し、先に演算を行っておく技術が考えられています。

ビジネスモデルの課題

クラウドゲームは、定額制のストリーミングサービスが近年急成長しています。NetflixやSpotifyのように多くの利用者を取り込むためには、収益モデルが重要です。しかし、ゲーム業界では高額な開発費がかかる「AAAタイトル」が多く、定額制サービスに適した商業モデルを見つけるのは難しいのが現実です。そのため、大型タイトルは提供に時間がかかるか、提供そのものが行われない場合もあります。

広告収益を目的としたサイトも存在しますが、現在、世界中の約40%のユーザーが広告ブロッカーを利用しているため、広告を見せることが困難になっています。マイクロソフトは、Xbox Game Passのような定額制サービスの導入を進めており、今後のゲーム市場での成功を見込んでいます。

クラウドゲームの歴史

クラウドゲームの歴史は長く、初めての試みは1970年代に遡ります。家庭用ゲーム機「オデッセイ」の技術者が、ケーブルテレビの映像を利用したゲームの構想を持っていたものの実現には至りませんでした。1997年には、PlayStationをベースにしたオンデマンドサービスが旅館向けに開始されるなど、徐々に実用化がされてきました。2004年に日本で開始されたG-Clusterを皮切りに、様々なサービスや技術が開発されてきました。

2012年には、ソニーがGaikaiを買収し、クラウドゲームへの本格的な参入を果たします。そして、2014年からはプレイステーションNowのようなサービスが本格稼働し、2021年にはXbox Cloud Gamingが日本でも利用可能になりました。

まとめ

クラウドゲームは、プレイヤーに新しいゲーム体験を提供する可能性を秘めていますが、技術的な課題やビジネスモデルの確立が今後の発展において重要なポイントとなります。様々な企業がこの分野に参入しており、今後の動向に注目が集まります。

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