ゲーム批評

ゲーム批評についての詳細

『ゲーム批評』は、1994年から2006年までの約12年間にわたり発行されていた日本のゲーム雑誌であり、その内容は主に家庭用テレビゲームの批評に焦点をあてていました。本誌の特長は、独自の視点で公正かつ中立なレビューを行うことにあり、広告受け入れに対する明確な姿勢を打ち出していました。

創刊の背景

『ゲーム批評』の創刊は、マイクロデザイン社内での動きからスタートしました。かつては『マル勝PCエンジン』というゲーム雑誌が存在しましたが、それが休刊となった際、編集スタッフの一部は新たなゲーム雑誌を立ち上げたいと考えていました。当時の市場では、特にゲームレビューに特化したコンセプトが求められていたことから、『ゲーム批評』が誕生したのです。この発起人である萩野谷貴史をはじめとする編集陣（小泉俊昭、大脇雅和、浜野一成）は、特定のゲームメーカーや広告に依存しないスタンスを貫くことを意識していました。

編集スタイルとコンテンツ

雑誌は、レビュー、取材、インタビューの3本柱で構成されていました。レビューは、ゲームが発売された後に実際にプレイし、その結果に基づいて評価が行われました。この手法によって、より正確で率直な批評が実現されたとされています。また、取材記事ではゲーム業界の内部事情や流通に関する重要な出来事について深く掘り下げた内容が多く、特に午後のデジキューブや中古ソフト問題に関する記事が注目されました。

一方で、広告方針もその特徴の一つです。本誌はコンピュータゲーム関連企業からの広告を受け入れず、雑誌の維持は売上のみで行うことを方針としていました。この姿勢は多くの読者から支持を集め、逆に業界とは異なる独立した立場を築くことに成功しました。

ただし、時が経つにつれて、67号からはゲームメーカーからの広告を掲載する方針に変更され、記事内容にも影響を与えるようになりました。

特集とコラムの充実

『ゲーム批評』では、毎号テーマに基づいた特集が組まれ、独自の視点からの論調が展開されていました。他誌では取り上げられないような鋭い批評が評価され、特にハードの立ち上げ時期における販売戦略や不具合問題については、積極的に声を上げていました。例えば、Xboxの戦略やPSPの不具合に関する特集は、大きな反響を呼びました。

また、コラムにはゲーム業界の著名人による執筆も多く、著名なゲームクリエイターや異色のコラムニストが様々な視点から意見を述べていました。特にがっぷ獅子丸が紹介する「悪趣味ゲーム紀行」は、多くの支持を受け、後に単行本化されています。

休刊とその後

しかし、2006年4月に69号をもって休刊が決まり、11年の歴史に幕を下ろしました。元編集長のインタビューによると、採算は取れていたものの、広告スタンスのために市場競争には不利な面もあったとのことです。『ゲーム批評』の後には、同じく独立した視点でゲームを扱う新雑誌『G-navi』が発刊されましたが、こちらも十分な成果を上げることができず、2006年12月にわずか3号で休刊となりました。

まとめ

『ゲーム批評』は、レビューや特集を通じて日本のゲーム文化に大きな影響を与えた雑誌です。公正で誠実な批評、自らの道を行く編集方針は、今日のゲーム報道における重要な価値観の一端を担っており、その功績は今もなお記憶されています。

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