コマコマ

コマコマ

『コマコマ』（KOMA KOMA）は、米林昇輝によって描かれた日本の漫画作品で、将棋をテーマにしています。この作品は、『週刊少年マガジン』（講談社）で、2005年第36・37号から2006年第10号まで連載されていました。全3巻の単行本が「講談社コミックス」より発行されています。なお、棋友館がこの作品に協力している点も特徴的です。

あらすじ

物語は、荻斗中学校に通う中学1年生の綾部樹を中心に進行します。樹は自己中心的な性格を携えているが、ある日、偶然出会った聖一との交流を通じて、将棋の世界に目覚めていきます。この出会いが樹の成長に大きな影響を与え、彼の人生は大きく変わっていくのです。

登場人物

綾部樹（あやべ たちき）

本作の主人公であり、学校では問題児として知られています。彼は女性的な魅力を持ち合わせており、その見た目が女子の母性本能をくすぐります。また、驚異的な記憶力を有しており、お金が関わる時には特に強くなる傾向があります。実際、小学校時代にはオセロ大会で優勝した経験もあります。彼の家庭には父親が飲んだくれで、母親が不在という複雑な背景がありますが、聖一との出会いが彼に新たな道を示します。実は、樹のキャラクターは作者の妹をモデルにしているとされています。

針生聖一（はりう せいいち）

聖一は、奨励会員で、プロ棋士としての道を志望していましたが、難しい状況に直面していたところ、樹との交流を通じて再び将棋の駒を握ることになります。聖一はその後、プロ棋士として成功を収める人物です。このキャラクターは作者自身をモデルにしているとも言われています。

針生玲奈（はりう れいな）

聖一の妹であり、樹のクラスメートでもあります。将棋に熱中する兄と問題児の樹に囲まれながら、ツッコミ役を務めるヒロイン的存在です。彼女は物語の中でのバランスを保つ重要なキャラクターです。

美里政二郎（みさと せいじろう）

現在活動しているプロ棋士であり、樹と聖一の師匠でもあります。彼の存在は、若い棋士たちにとって重要な指導者として描かれています。

豆知識

本作の最終巻には特別編『一手に道は通ずる』が加筆されており、聖一が夢の中でナツキというキャラクターに出会うエピソードが描かれています。このナツキは、樹の面影を持ち、実は将棋の神様であるという設定が盛り込まれています。また、2007年3月号の『将棋世界』において取り上げられた連載記事『イメージと読みの将棋観』（鈴木宏彦）の中には、本作品のエピソードに関連するテーマがあり、ファンには興味深い内容となっています。

なお、最終回では二歩という棋士のルールに反する行動が見られましたが、単行本ではその部分が修正されています。こうした点も、作品の制作背景や読者のリアクションと共に語られる興味深い情報として知られています。

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