コンサートプロモーターズ協会

一般社団法人コンサートプロモーターズ協会 (ACPC)

一般社団法人コンサートプロモーターズ協会、略称ACPC（英語名称：All Japan Concert & Live Entertainment Promoter's Conference）は、主に音楽コンサートツアーの企画・運営を手掛ける興行者（プロモーター）によって構成される業界団体です。日本の音楽ライブ・エンタテインメント産業の重要な一翼を担っており、会員企業の協調を通じて業界全体の発展と地位向上を目指しています。

沿革

本協会の歴史は、1990年（平成2年）10月12日に遡ります。この日、「社団法人全国コンサートツアー事業者協会」として、当時の通商産業省（現在の経済産業省）より設立許可を得て発足しました。設立当初は社団法人として、音楽コンサート産業の基盤整備に力を注ぎました。

設立から数年後の1994年（平成6年）には、業界全体で共通して遵守されるべき「コンサート約款」を制定するという重要な取り組みを行いました。これにより、コンサートチケットの販売や会場利用などに関する規約が標準化され、消費者と事業者双方にとってより明確で安心できる取引環境の整備が進みました。

日本の公益法人制度改革が進む中で、本協会も組織形態の見直しを行いました。その結果、2011年（平成23年）4月1日付で一般社団法人へと移行しました。この組織変更に伴い、団体の正式名称も現在の「一般社団法人コンサートプロモーターズ協会」に改称されました。ただし、設立当初から使用されてきた略称「ACPC」については、広く認知されていることもあり、一般社団法人移行後も引き続き使用されています。

活動内容

ACPCは、会員各社が主催する音楽コンサートやライブイベントに関する様々な活動を行っています。その一つとして、業界全体の動向を把握するための統計調査があります。会員企業が手掛けた年間総公演数などを集計・分析し、データを公開することで、産業規模や市場の推移を明らかにし、関係者や社会に対し業界の現状を伝える役割を担っています。

また、コンサート約款の維持・更新や、業界を取り巻く法規制、技術動向、社会情勢の変化に対応するための検討を行い、会員企業が適正な事業活動を行えるよう支援しています。これにより、消費者保護や、著作権・肖像権といった権利問題への適切な対応、会場の安全管理など、多岐にわたる側面から業界の健全な発展に貢献しています。

旧監督官庁

社団法人として活動していた時代には、国の監督下に置かれていました。当時の監督官庁は、経済産業省の商務情報政策局に属する文化情報関連産業課でした。公益法人制度改革による一般社団法人への移行に伴い、現在は特定の省庁による直接的な監督を受ける形態ではなくなっています。

関連情報

音楽ライブ・エンタテインメント業界は、教育機関との連携も進めています。例えば、東京工科大学では、本分野に関する寄付講座が設けられており、業界の実情や理論について学ぶ機会が提供されています。このような取り組みは、将来の業界を担う人材育成にも繋がっています。

ACPCは、公式サイトを通じて協会の活動情報や、コンサートに関する基本的なルール、注意喚起などを一般向けにも発信しており、ライブ・エンタテインメントを楽しむ人々が安全かつ快適にイベントに参加できる環境づくりにも努めています。

このように、一般社団法人コンサートプロモーターズ協会は、日本の音楽コンサート・ライブエンタテインメント産業の中心的な団体として、会員企業の活動支援、業界全体の健全化、そして文化の振興に寄与する多様な活動を展開しています。

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