サグラダ・ファミリア

サグラダ・ファミリア

サグラダ・ファミリア（カタルーニャ語: Sagrada Família）は、スペインのバルセロナにある著名なカトリック教会で、正式名称は聖家族贖罪教会（Temple Expiatori de la Sagrada Família）です。この壮大なバシリカは、カタロニア・モダニズム建築の代表例であり、建築家アントニ・ガウディが手がけたことでも知られています。バルセロナにおけるシンボルとなっているこの教会は、その独自のデザインと深遠な象徴性が光る構造で、多くの観光客を魅了しています。

建築的特徴と観光地としての評価

サグラダ・ファミリアは、パラボリックな構造を取り入れたアーチや、抽象主義と自然主義が交錯する彫刻で構成されています。綿密に考えられたシンボロジーが随所に見られ、その幻想的な美しさが訪れる人々を魅了します。2004年には、サグラダ・ファミリアがスペインで最も多くの観光客を集めるモニュメントとなり、2019年には470万人以上が訪れました。ガウディの手がけた作品は、2005年に「アントニ・ガウディの作品群」としてユネスコの世界文化遺産に登録されました。

教会の建設は1882年に始まり、その時から資金は信者の寄付によって賄われてきました。当初は資金不足が影響し、工事に遅れが生じましたが、1990年代から拝観料の収入が増加したことにより、状況は改善されました。教皇ベネディクト16世が2010年に訪問し、ミサを行ったことにより、教会は正式にバシリカと認定されました。この際、6500人を超える司教や800人の聖歌隊が参加し、歴史的な瞬間となりました。

完成予定と現在の状況

サグラダ・ファミリアは、未完成の状態であり、ガウディが生きている間に実現したのは全体の4分の1程度です。9代目設計責任者のジョルディ・ファウリは2026年に完成予定と発表しましたが、COVID-19の影響により工事が一時中断され、資金収入も減少したため、進捗が遅れていることが報告されています。それでも、2024年3月にはイエスの塔の完成が発表され、全体的な完成は2034年頃になる見込みです。2021年12月には、完成済みの尖塔としては最も高い聖母マリアの塔が完成しました。

歴史的背景

サグラダ・ファミリアは、民間のカトリック団体により、1882年に建設が開始されました。初代の建築家フランシスコ・ビリャールが辞任した後、アントニ・ガウディがプロジェクトを引き継ぎました。ガウディは交差させた紐の実験を通して構造を考案し、彼が亡くなるまでその設計に取り組み続けました。ガウディの死後、スペイン内戦やその影響で多くの設計資料が失われ、建設は困難を極めましたが、職人や弟子たちの努力によりプロジェクトは続行されました。

現在、サグラダ・ファミリアでは古典的な技法と最新のIT技術が融合した建設が行われています。近年では3Dプリンター技術やCNC加工などが導入され、かつての長期計画よりも速い進展が期待されています。かつては300年かかると見込まれていた工事が、現在では144年という短期間で完了する可能性が高まっています。

カタルーニャ独立運動との関連

サグラダ・ファミリアはカタルーニャのアイデンティティの象徴であり、時折カタルーニャ独立運動のデモの場となります。2019年には、教会近辺で独立を求める大規模なデモが開催され、一時的に教会が閉鎖される事態になりました。このように、サグラダ・ファミリアは地域社会においても重要な役割を果たしています。

サグラダ・ファミリアは、その独特の美しさと歴史的価値から、今後ますます多くの人々に愛される存在であり続けることでしょう。

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