ジョッパーズ

ジョッパーズとは

ジョッパーズ（英: Jodhpurs）は、足首丈で裾がタイトなデザインのズボンで、特に乗馬に適したスタイルで知られています。乗馬用ジョッパーズと、ファッションに取り入れられたジョッパーズの2種類が存在します。乗馬用の際は短いジョッパーブーツとの組み合わせが一般的です。

デザインと機能

オリジナルのジョッパーズは膝下から足首までぴったりとしたデザインで、腰回りは広がりがあります。これはインドの伝統的なズボン、チュリダーに由来しています。このデザインは、インドの厳しい気候での快適さを考慮したもので、体の熱を逃がすための工夫でもあります。また、ジョッパーズは脚を守りつつも動きを妨げないように設計されています。現代の乗馬用ジョッパーズはストレッチ性のある素材が用いられ、全体がぴったりとしたフィット感を保っていますが、機能性は損なわれていません。

歴史的背景

ジョッパーズの発祥は、インド北部のラージャスターン州に位置するジョードプル藩王国に遡ります。伝統的なチュリダーのスタイルがもととなり、19世紀末に藩王の若き息子プラタープ・シング卿によって改良されました。彼のポロ競技への情熱と、ヴィクトリア女王への表敬訪問が、このスタイルをイギリスに広めるきっかけとなりました。イギリスでは、従来の乗馬服であったブリーチズスタイルに替わり、ジョッパーズスタイルが人気を博しました。

乗馬用のジョッパーズ

乗馬用のジョッパーズは、特に膝の内側にパッチが当てられていることが特徴で、皮革製の補強も施されていることがあります。これにより、鞍の上での安定性が高まります。通常の色はベージュやホワイトですが、現在は様々な色合いが利用可能です。乗馬用ブリーチとは異なり、終了点が足首までの長さとなるため、短いジョッパーブーツとの相性が抜群です。

ファッションとしてのジョッパーズ

20世紀に入ると、ジョッパーズはファッションの一部としても注目を集めてきました。特に1920年代以降、女性も男性と同じように馬にまたがるスタイルが一般化し、ジョッパーズが人気を博しました。ファッション界では、ココ・シャネルがジョッパーズを着用したことで広く知られています。また、ラルフ・ローレンなどのデザイナーも乗馬スタイルを取り入れた作品を発表し、モダンなファッションの一部となりました。

制服としての採用

ジョッパーズは服装デザインの基盤として、軍隊の制服などに用いられることもあります。乗馬用ジョッパーズの特長的なデザインが、機能性を重視する制服のスタイルに合致するためです。

ケンタッキージョッパーズ

特にアメリカでの乗馬スタイルに適したケンタッキージョッパーズは、フルレングスのデザインですが、裾がベルボトム風に広がっており、ブーツの上からかぶせて着用します。このかたちが、きちんとしたライディングスタイルを演出します。典型的な色は、黒やネイビーブルーで、上品さを感じさせます。

まとめ

ジョッパーズは伝統とファッションが交錯した、魅力的なアイテムです。乗馬に欠かせないスタイルとして、多くの人々に愛され続けています。

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