スウェーデントーチ

スウェーデントーチについて

スウェーデントーチ、別名フィンランドキャンドルやロシアトーチは、垂直に設置した木の幹に切り込みを入れ、それを燃やすことで光と熱を得る方法です。この技法は1600年代にヨーロッパで知られるようになり、特に南ドイツや森林作業者たちに重宝されています。また、表面が平らで燠が豊富に出るため、バーベキューや調理用の加熱源としても利用できます。一般的な焚き火よりも小型であり、効率的に熱源を分散させることができる点が魅力です。

この手法の起源はフィンランドの北部にあり、当時の伐採者は食事を温めたり調理する手段として使用しました。日本では2021年ごろにSNSで話題となり、間伐材の活用や防災対策としても注目されています。

スウェーデントーチの作り方と利用法

スウェーデントーチを作るためには、直径30～60cm、長さ50～150cm程度の丸みを帯びた半乾燥の木の幹が必要です。木材が乾燥しすぎると火が大きくなりすぐに燃え尽きてしまうため、適度な湿度が求められます。熱と光を最大限に得るためには、樹脂を含む針葉樹（トウヒ、モミ、マツ）が最適です。一方で、調理には煤が少ない広葉樹（ブナ、オーク、リンゴ、トネリコ、サクラ）が推奨されます。

スウェーデントーチの製作には、チェーンソーを使って幹に切り込みを入れます。幹を立てた状態で下から上に2回切り込みを入れ、切り口は根元から6～8cmのところで止めます。この作業の結果、幹は通常4等分され、大きな丸太の場合は6等分または8等分になります。こうした切り込みが空気の循環を助け、燃焼を促進します。

燃焼中、燃えカスや炭が切り込みに落ち、内側から火が持続します。点火するためには、蝋やホワイトガソリンを切り込み部分にかけるのが簡単で、オイルを含ませた布切れも効果的です。さらに、焚き火の残りを丸太の上に置くことで、スウェーデントーチとして活用することもできます。

このトーチを設置する際には安全な場所を選び、均等に火がつくように注意を払いましょう。大きさや形状によりますが、スウェーデントーチは通常2時間から5時間程度火が燃え続け、中心部の温度は1000℃から1200℃に達します。火がついた後、鍋を上に置いて調理することも可能です。

調理を行う際には、トーチの周囲に釘を打ったり石を置いて即席の調理台を作ると便利です。これにより、火の通りも良くなり、熱効率を高めることができます。スウェーデントーチは、その独特の調理法と視覚的な美しさから、キャンプやアウトドアで特に人気があります。

関連項目

• - キャンプファイヤー
• - 焚き火
• - バーベキュー
• - 炉端焼き

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