スウェーデン国立美術館

スウェーデンの国立美術館、通称ナショナルミュージアムは、ストックホルムに位置し、スウェーデン王室が長年にわたり収集してきた美術品を展示する、国内最大級の美術館です。

歴史

その起源は16世紀にグスタフ1世が収集したルーカス・クラナッハらの作品に遡ります。17世紀には、スウェーデンがドイツやデンマークへの侵攻を通じて得た戦利品、そしてクリスティーナ女王やアドルフ・フレドリク王夫妻など王室の人々が収集した美術品がコレクションの中核を担いました。

さらに18世紀には、駐仏大使カール・グスタフ・テッシン伯爵がパリで積極的に絵画を入手し、その一部が王室のコレクションに加わりました。テッシン伯爵の死後、そのコレクション全体がグスタフ3世によって買い取られ、王は自身のイタリア美術への関心から、美術品を国民の共有財産としたいと考えるようになります。その遺志を継ぎ、グスタフ3世の死後2年を経て、1794年に王立美術館（Konglig Museum）として一般公開が始まりました。現在の建物は1866年に開館し、同時にナショナルミュージアムという名称が与えられました。

コレクション

美術館のコレクションは中世から1900年までの約50万点のデッサンをはじめ、レンブラントをはじめとする17世紀オランダ絵画の傑出したコレクションを誇ります。磁器、絵画、彫刻、そして現代美術に至るまで幅広いジャンルの作品を収蔵し、美術史を多角的に学べる場となっています。また、研究者のみならず一般にも開放されている美術図書館も併設されています。

建築

現在の建物は、1844年から1866年にかけて建設され、北イタリアのルネサンス建築から影響を受けたデザインが特徴的です。設計は、ベルリンの新博物館を設計したドイツ人建築家、フリードリッヒ・アウグスト・シュテューラーによるものです。外観は中央入口以外は閉鎖的な印象ですが、内部は広々とした空間で、最上階の展示室へと続く大きな階段が特徴的です。美術館は1961年に拡張され、1996年にはレストランがオープンしました。

主な展示品

美術館には、カール・ラーションによる「1523年のグスタフ・ヴァーサのストックホルム入城」や「冬至の生贄」など、スウェーデンを代表する画家の作品も数多く展示されています。

近隣施設

美術館の周辺には、ストックホルム近代美術館、スウェーデン国立歴史博物館、北方博物館など、他の文化施設も点在しており、文化的な探求を深めるのに最適な環境です。

その他の情報

美術館への王室の援助は現在も継続されており、コレクションの維持・拡充に貢献しています。美術館長を務めたリッカルド・ベリのような人物も、その歴史を彩る重要な要素です。

国立美術館は、スウェーデンの芸術と文化を深く理解するための、重要な拠点と言えるでしょう。

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