スピリット・イン・ザ・スカイ

「スピリット・イン・ザ・スカイ」（Spirit in the Sky）は、アメリカのシンガーソングライター、ノーマン・グリーンバウムによって1969年に発表された楽曲です。この曲は、発表当時から大きな反響を呼び、1969年から1970年にかけて200万枚を売り上げ、ゴールドディスクに認定されるほどでした。

1970年4月18日には、ビルボードチャートで3位を獲得し、同年のビルボード年間チャートでは22位にランクインしました。アメリカだけでなく、イギリス、アイルランド、西ドイツ、カナダ、オーストラリアといった国々でもチャートの1位を獲得し、世界的なヒット曲となりました。

グリーンバウムがこの曲を着想したのは、カントリー歌手のポーター・ワゴナーがテレビでゴスペルを歌っているのを見たことがきっかけでした。彼はゴスペル音楽について深く知っていたわけではありませんでしたが、「これなら自分にも書ける」と感じ、実際に15分程度で書き上げたと語っています。

歌詞の内容は、イエス・キリストへの賛歌となっています。しかし、興味深いことに、作者であるグリーンバウム自身は厳格なユダヤ教徒でした。この点について、VH1が一発屋（ワン・ヒット・ワンダー）を特集した番組で、アリス・クーパーは当時を振り返り、「ユダヤ的な名字を持つ男がキリストの歌を歌っていることに驚いた」と述べています。

「スピリット・イン・ザ・スカイ」は、数多くのアーティストによってカバーされています。1986年にはドクター・アンド・ザ・メディックスのバージョンが、2003年にはガレス・ゲイツのバージョンが、それぞれ全英シングルチャートで1位を獲得しています。その他、エルトン・ジョン（アルバム『Chartbusters Go Pop』に収録。1969年 - 1970年録音）、バウハウス、ケンタッキー・ヘッドハンターズ、DCトークなどもこの曲をカバーしており、幅広いジャンルのアーティストに影響を与えていることがわかります。

この曲は、ゴスペル音楽の要素を取り入れながらも、ロックンロールの要素も併せ持っており、その独特なサウンドが多くの人々を魅了しました。また、宗教的なテーマを扱いながらも、作者の宗教的背景とのギャップが話題となり、音楽史に残る一曲として知られています。

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