スペース・サタン

スペース・サタン (Saturn 3)

1980年に制作された『スペース・サタン』は、イギリスのSF映画として名を馳せています。この映画は、宇宙基地におけるロボットの恐怖を描写した作品で、監督 JOHN BARRYと俳優陣との初めてのコラボレーションが様々なトラブルを引き起こしました。結果的に、スタンリー・ドーネンが監督を引き継ぎ、脚本はマーティン・エイミスが担当しました。残念ながら、バリーは同年に撮影中に倒れ、彼の最初の監督作品となるはずだった本作には多くの不完全さが残りました。

映画の舞台は、土星の衛星に建設された巨大な宇宙基地、サターン3です。基地にはアダム少佐（カーク・ダグラス）と恋人のアレックス（ファラ・フォーセット）が住んでおり、彼らは地球の人口爆発による食糧不足を解決するために水耕栽培の研究を行っています。また、彼らをサポートするために3機のロボットも配備されています。アダムとアレックス、ペットの犬サリーとともにエデンの園のような生活を3年間送っていました。

しかし、この平和な生活は突然の訪問者により終わりを迎えます。映画のストーリーは、ロボットたちと人間の関係、そして恐怖と裏切りを中心に展開します。特に、主人公たちの感情とロボットの動きが絡み合う様が本作の大きな魅力となっています。特にヘクターというロボットは、サイボーグ的なデザインと感情を持つ珍しい存在として描かれ、そのデザインは後の映画『ターミネーター』に影響を与えました。

作品の音楽についても注目が必要です。オリジナル・サウンドトラックは、2006年に限定版として発売されたほか、映画が公開された当時から多くの映像ソフトに収録されています。また、ブルーレイ版やDVD版もリリースされており、リマスタリングされた映像を楽しむことができます。

『スペース・サタン』は、その内容が評価された一方で、第1回ゴールデンラズベリー賞で最低作品賞にノミネートされたことからも分かるように、その評価は分かれていました。主演のカーク・ダグラスやファラ・フォーセットもノミネートを受けており、作品全体の質に疑問を持つ声も多かったのです。特に、ファラが初めてバストを披露した作品としても有名で、翌年・多くの映画ファンの間で語り草となりました。

公開当時、日本ではドラマ『熱中時代 教師編』の中での引用があったことで、より多くの観客に知られることとなったエピソードもあります。現在では、スペース・サタンの特異な存在と独自のストーリーが持つ魅力を知ることができる貴重な作品として位置づけられています。特に、当時最新技術を駆使した特殊効果や、ロボットヘクターの鮮烈なデザインは、多くのSFファンによる再評価を受ける要因となりました。全体的に見ても、『スペース・サタン』は、時代を超えたSF映画の一部として、今日でも語り継がれる作品となっています。

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