スポーツウェア

スポーツウェアの概説

スポーツウェアとは、主に運動やレジャーを目的とした衣服を指し、そのスタイルは軽快で動きやすいのが特徴です。特にアメリカでは、カジュアルウェアと同じ意味で使用されることが多いため、スポーツに特化したアクティブ・スポーツウェアと区別することがあります。この分野は1960年代のオリンピック中継を通じて広がり、健康のためのスポーツ活動が一般において広まる契機となりました。1970年代に入ると、テニスやランニング、スキーといった様々なスポーツがブームを迎え、スポーツウェアの需要が急増しました。

スポーツウェアの機能

デサントの清嶋展弘によると、スポーツウェアには主に「運動機能性」「快適性」「耐久性」「安全性」の4つの基準が求められます。

1. 運動機能性：身体の動きを妨げない柔軟さや軽さ、伸縮性が求められます。特に競泳やスキーなどの競技では、表面の流体抵抗を低くすることが重要です。
2. 快適性：温度調節や通気性、防水性や撥水性など、快適に過ごせるための機能が必要です。さらには、デザインや風合いも重要な要素として挙げられます。
3. 耐久性：頻繁な使用や洗濯に耐える強度、色落ちしにくい染色、型崩れしにくい形態安定性が必要です。
4. 安全性：運動中に転倒した際の衝撃吸収や、紫外線、高・低温から体を守る役割も求められます。

これらの機能により、スポーツウェアは単なる衣服以上の役割を果たします。

日本におけるスポーツウェアの普及

日本では、1964年の東京オリンピックをきっかけにスポーツへの関心が高まりました。この時期、オニツカが開発した「マラップ」というスニーカーが、一般市民のライフスタイルにスポーツを取り入れる起点となりました。その後、昭和40年代の西ドイツのスポーツ振興計画に触発され、地域社会でのスポーツ施設が次々に設立されました。

特に1970年代には、マラソンやバレーブームが起こり、トレーニングウェアの需要が急上昇しました。1972年に札幌冬季オリンピックに向けて開発されたトレーニングウェアは、防寒性と吸湿性に優れ、のちに大きな流行を生む基盤となりました。

また、1978年頃からはダウンウェアが流行し、高機能で耐久性のあるウエアが次々と市場に登場しました。ここで言うダウンは、特に冬のファッションとして注目される一方、夏にはテニスウェアが流行しました。テニス人口は1979年には1200万人に達し、その人気はスポーツメーカーのみならず、多くのアパレルメーカーも参入するほどに成長しました。

スポーツウェアのファッション化

1980年代に入ると、スポーツウェアは単なる運動用の衣服にとどまらず、アイコニックなファッションアイテムへと進化しました。オリビア・ニュートン＝ジョンやジェーン・フォンダの影響を受け、多くの人々がフィットネスやエアロビクスに参加し、スポーツウェアが日常のファッションとして受け入れられるようになりました。1980年には、すでにスポーツウェアが街着として定着し、様々なスタイルが普及しました。

さらに、近年ではアウトドアやカジュアルモデルも人気を集めるようになり、消費者の選択肢は多様化しています。スポーツウェアは機能性とファッション性を兼ね備え、現代社会で重要な位置を占めています。

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