スライム大作戦

『スライム大作戦』は、かねこ統氏による人気漫画作品で、集英社『Vジャンプ』にて2000年5月号から2003年11月号まで連載されました。全3巻でまとめられたこの作品は、スクウェア・エニックスの『ドラゴンクエストシリーズ』でお馴染みのスライムを主人公に据え、彼らのユーモラスな日常を描いたコメディ漫画です。

物語の舞台はスライムたちが暮らすスライ村。主人公は、兜をかぶったいたずら好きなスラひこと、頬に渦巻き模様のある能天気なホイさく。この二人の小学生（後に中学生へ進学）を中心に、個性豊かなスライムたちのドタバタ劇が繰り広げられます。

本作は、前作『スライム冒険記』の続編とも捉えることができ、未来の世界が舞台であると示唆する描写も散見されます。単行本にも収録されている人気企画ページでは、登場キャラクターの人気投票や、読者から募集したオリジナルスライムの登場など、読者参加型の要素も盛り込まれ、作品に大きな影響を与えています。投票で最下位になったキャラクターは次回登場できないという罰ゲームも、読者の楽しみの一つでした。

主要キャラクターは、スラひこ、ホイさくの他に、スラひこの幼馴染みである男勝りなはねスライムのハネコ、大金持ちのお嬢様であるブチエ、言葉遣いに訛りのあるスララ、気弱なスライムつむりのつむろうなど、実に多彩な面々が揃っています。さらに、スライムナイトのピーター、たまごスライムのタマモ、バブルスライムのバボル、スライムボーグのメカのぶ、スライムブレスのブレス、スライムツリーのフタバ、スライムファングのアニマル、ボックススライムのカクぞう、サンゴ型スライムのサンサンなど、様々な種類のスライムが登場し、物語を盛り上げます。

教師陣も個性豊かです。スライ村第3小学校の担任であるクレア先生（ぶちキング）は、実は姉のクラウディアだと主張する謎めいた人物。そして、小学校と中学校の両方を兼任するグラン校長（グランスライム）は、必殺技「ロングホーン」を持つ、頼れる存在です。

物語を彩る脇役たちも魅力的です。前作からの登場キャラクターであるヨーゼフ（メトロゴースト）や、スラひこの両親、ハネコの父親など、個性的なキャラクターたちが物語に深みを与えています。読者参加型企画から生まれたキャラクター、アクマート（あくスラ）、たこ太朗（たこ焼きスライム）、ゆきまる（雪だるまスライム）、せきぞう（せきとりスライム）、ビリー（しびれスライム）なども、物語に華を添えています。

敵役として、スラひこたちと対立する魔物使いのヒッパルケンとその部下、ダー公などが登場します。ヒッパルケンは前作のキャラクター、ヒッパチャックの子孫であると推測されます。また、大昔に世界を荒廃させた魔獣デルブや、超魔界神といった強力な敵も登場し、物語に緊張感を与えます。

3巻に収録されている特別編『ハネスライム大作戦』では、本編の最終話から数年後、ハネコがギガ・バトル・トーナメント女子の部に出場する様子が描かれています。ハネコは、ダンプ・ギガエ、フレイミーといった強敵を次々と倒し、決勝戦ではエンジェル・ピクシーナと激闘を繰り広げます。

『スライム大作戦』は、スライムたちの可愛らしい姿と、予測不能な展開、そして個性豊かなキャラクターたちが織りなす、魅力あふれる物語です。読者参加型の企画によって生まれたキャラクターやエピソードも豊富で、読者と作者が一体となって作り上げた、温かさを感じさせる作品と言えるでしょう。

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