スーパーグローバル大学

スーパーグローバル大学とは

スーパーグローバル大学（SGU）は、2014年に日本の文部科学省が創設した、国際的な教育研究機関の支援事業です。このプログラムは、日本の大学が国内外での連携を強化し、国際化を進めることを目的としています。この取り組みによって、グローバルな舞台で活躍できる人材の育成を目指し、日本の大学の国際競争力を高めることを意図しています。

概要

SGUは、全国で約30校の大学を選定し、それぞれの大学がグローバル化に取り組むよう支援を行います。対象となる大学は国立、私立、公立を問わず、特に旧帝国大学と旧二文理大はトップ型の指定校として選ばれることが多いです。この支援事業は、日本学術振興会の委員会によって運営され、審査と評価が行われます。

2014年4月、文部科学省は2つのタイプの大学を公募しました。まず、トップ型は世界大学ランキングのトップ100を目指す大学、次に、グローバル化牽引型はこれまでの実績に基づき、新規の国際化に挑戦する大学です。公募の結果、発表されたのは、トップ型が13校、グローバル化牽引型が24校、合計で37校の大学が支援を受けることになりました。

批判と不満

この事業には、さまざまな反響があり、批判や不満の声が上がっています。支援額が当初の予想よりも大幅に減少し、大学側からは「支援額が値切られた」といった不満が寄せられています。文部科学省は、予算確保が難しかったことや、当初よりも採択された大学の数が増えたため、各大学への支援は減らさざるを得なかったと説明しています。

さらに、多くの大学は急遽、新たな教育体制を整える必要があり、留学生の受け入れや外国人教員の増員に奔走しますが、これが学内での混乱を招くこともあります。このように、新しい挑戦に乗り出すために設けられた目標が実現困難な場合、大学側の負担が増し、疲弊してしまうケースが見受けられます。

取り組みへの懸念

SGUの取り組みの中には、「講義の英語化」「外国人教員の増加」などが含まれていますが、こうした施策が日本の大学教育の質を低下させる可能性があるとの意見も少なくありません。例えば、英語での授業が学生の理解を妨げるのではないかという批判があります。これに関連して、韓国科学技術院（KAIST）では、講義の完全英語化が生徒に深刻な影響を与え、自殺者が出る事態にまで至ったことがあります。

結論

スーパーグローバル大学は、国際化へ向けた重要な一歩である一方で、多くの課題や反発を抱えていることは否めません。この事業が日本の大学にどのような影響を与えるか、またどのような形で改善されていくのかは、今後の重要な論点となるでしょう。

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