ゾンビ・ストリッパーズ

ゾンビ・ストリッパーズ（Zombie Strippers）

2008年にアメリカで公開された『ゾンビ・ストリッパーズ』は、ホラーとコメディを融合させた独特な作品です。この映画は、名俳優ロバート・イングランドとポルノスターのジェナ・ジェイムソンが共演していることで話題になりました。特に、イングランドは「エルム街の悪夢」シリーズで知られるフレディ・クルーガーを演じており、彼の出演が注目を集めました。

本作の監督であり脚本も手掛けたジェイ・リーと製作者のアンジェラ・リーは兄妹で、彼らがこの映画を作るきっかけとなったのは、冗談のような会話にあったといいます。ジェイ・リーは、映画のテーマに「暴力的な社会体制の盲信」を据え、イオネスコの戯曲『犀』からインスパイアを受けたことを明かしています。このテーマは、映画に登場するストリップクラブ「ライノス」という名前にも反映されています。

ストーリー概要

物語は、アメリカ軍が兵力不足に苦しむ中から始まります。そこで、軍は死者を再生させるウイルスを開発し、兵士を再利用しようと試みます。しかし、ウイルスは予想以上に強力で、研究所全体が感染する事態に至ります。掃討作戦に派遣された特殊部隊の一人が感染し、ネブラスカ州のストリップクラブ「ライノス」に逃げ込むと、ここから物語が加速していきます。

感染した兵士は、人気ストリッパーのキャットを襲ってしまいますが、そのキャットがゾンビとして復活します。彼女の異常なパフォーマンスは、観客たちに大好評を博し、仲間のストリッパーたちも次々とゾンビ化を望むようになります。このクラブの経営者であるイアンも、彼女たちの「ゾンビ・ストリッパー」化を黙認するようになりますが、感染が広がるにつれて、事態は徐々に制御不能に陥ります。

最終的には、逃げたゾンビ兵を追い続けていた特殊部隊が「ライノス」に突入し、クラブは制圧されます。この混沌とした光景は、ただのエンターテイメントにとどまらず、社会への鋭い皮肉をも孕んでいます。

キャストとスタッフ

映画には、ロバート・イングランドとジェナ・ジェイムソン以外にも、個性的なキャラクターが多数出演しています。監督であるジェイ・リーは、自ら脚本を書き、撮影も手掛けました。製作は、アンジェラ・リーやアンドリュー・ゴロフ、ラリー・シャピロらが関与し、音楽はビリー・ホワイト・エイカーが担当しました。また、特殊メイクはパトリック・マギーが手掛け、キャラクターのゾンビ化をリアルに表現しています。

総じて『ゾンビ・ストリッパーズ』は、笑いと恐怖が同時に体験できる作品であり、ホラー映画ファンやコメディ好きにとって特異な魅力を持っています。ユニークなストーリーとキャラクターたちは、観る者に深い印象を残し続けることでしょう。

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