ダナス

ダナス (Danas)

『ダナス』は、セルビアの日刊紙であり、セルビア語で「今日」を意味します。その歴史は、ジャーナリストたちが既存の新聞社から独立して新たなメディアを立ち上げたことに始まります。

歴史

1997年中ごろ、ナシャ・ボルバ（Naša borba）のジャーナリストたちが、新しい民間の過半数株主との意見の相違から同紙を去り、『ダナス』を設立しました。そして、1997年6月9日に第1号が発行されました。

創刊当初から、『ダナス』は強い独立志向を掲げ、当時のスロボダン・ミロシェヴィッチ体制を批判的な視点で見つめていました。開かれた報道姿勢を貫き、1990年代後半のユーゴスラビア連邦共和国やセルビアにおける社会的な問題点を率直に報道したため、セルビア当局からの標的にされることもありました。

1998年10月14日、北大西洋条約機構（NATO）によるユーゴスラビア連邦空爆の可能性が高まっていた時期に、『ダナス』はドネヴニ・テレグラフ（Dnevni telegraf）、ナシャ・ボルバと共に、「恐怖と敗北主義を流布した」として政府の命令により発禁処分を受けました。空爆の危機が薄れたと見られた10月20日には発禁処分は解除されましたが、その後も情報統制の法によって度々罰則が適用されました。新聞発行は何度も廃刊の危機に瀕しましたが、ミロシェヴィッチ政権が崩壊する2000年10月5日の「ブルドーザー革命」まで発行が続けられました。

ミロシェヴィッチ体制崩壊後、『ダナス』はセルビアにおいて、商業主義的なイエロー・ジャーナリズムに染まらない数少ないメディアの一つとして存在感を示しました。しかし、発行部数は減少し続け、セルビアのメディア市場への外国投資家の関心も薄れていきました。

現在の立場

現在、『ダナス』は左派志向のメディアとして、旧ユーゴスラビア地域に関する話題、社会民主主義、欧州統合といったテーマを主に取り扱っています。また、セルビアの人権保護や少数者の権利擁護を推進するNGOを支援する数少ないメディアでもあります。

経営母体

『ダナス』は、ベオグラードに拠点を置く有限責任会社 Dan Graf d.o.o. によって経営されています。この会社の株主は13人の個人で構成されており、グルイツァ・スパソヴィッチ、ドゥシャン・ミトロヴィッチ、ラドミル・リチナ、ズドラヴコ・フベル、ミラン・ヤンコヴィッチなどが主要な株主として名を連ねています。

関連項目

Republika
Novi Plamen
* Glas javnosti

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