チュックボール

チュックボール (Tchoukball)

チュックボールは、ボールをネットにシュートすることで進行するハンドボール形式のスポーツです。この競技は1970年にスイスのヘルマン・ブラントによって創設されました。実際のプレイスタイルは非常にユニークで、攻撃側がシュートをしてボールがネットに当たると、ボールは反発して跳ね返ります。この跳ね返ったボールを守備側がノーバウンドでキャッチできれば、キャッチしてシュート権が移動します。キャッチできなければ、攻撃側の得点となります。

チュックボールの名称は、ボールがネットに当たった際の音「チュック」に由来しています。また、プレイにおいてドリブルは禁止されており、味方同士のパスは最長で3回まで可能です。そして、このスポーツの特徴の一つとして、相手チームのシュートやパスを妨害してはならないというルールがあります。

この競技が国際的に広まるきっかけの一つは、1971年に創設された国際チュックボール連盟（FITB）です。この連盟のもとで、スイスで第1回の世界選手権が開催されました。日本には1980年に、東京大学に留学中の台湾師範大学教授・方瑞民によって紹介されました。同時に群馬県スポーツ振興事業団にも紹介され、以来毎年3月第1日曜日に群馬県前橋市で日本選手権大会が開催されています。

ルールについて

チュックボールの公式ルールにはいくつかの基本的な規定があります。味方同士のパスは3回まで可能ですが、スローインはこの回数に含まれません。また、ボールを持った選手は最大3歩まで移動でき、ボールを保持する時間は3秒間までと制限されています。シュートは同じネットに連続して3回行うことができ（ツーネットがある場合）、センターラインを越えればスローイン側のネットにシュートすることも可能です。

ボールが床に落ちてしまうと、そこから相手チームのプレイがスタートします。ネットの前には半径3メートルの立ち入り禁止区域が設けられており、ボールを持った選手はこの領域には入ることができません。また、シュートが失敗した場合は、相手チームに得点が入ります。失敗として認識されるのは、ネットに当たらなかった場合や、ボールが立ち入り禁止区域やコート外に落ちた場合、さらにはシュートした選手にボールが当たってしまった場合などです。

公式な試合ではプレイヤーは9人で行われますが、日本国内では多くの大会がバスケットボールコートを借りて7人でプレイされることが一般的です。また、福島県ではワンネット（ハーフコート形式）の4人制大会も開催されています。使用するボールについては、国内ではハンドボールが代用されており、男子はハンドボールの3号球、女子は2号球が使われるのが通常です。

チュックボールは、競技者間のフェアプレイを重んじ、観客にも楽しんでもらえるスポーツとして広がりを見せており、多くのレクリエーション活動としても楽しまれています。競技においてはチームワークや戦略的思考が求められ、プレイヤーたちは楽しみながら技術を磨くことができます。

参考文献

• - 『ニュースポーツ百科』清水良・紺野晃編、大修館書店、1995年
• - 『改訂ニュースポーツ事典』北川勇人・（財）日本レクリエーション協会共編著、遊戯社、2000年
• - 『ニュースポーツ用語事典』野々宮徹著、遊戯社、2000年

外部リンク

• - 国際チュックボール連盟
• - 日本チュックボール協会

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