チリトリー

チリトリー - 任天堂の無線操縦式ロボット掃除機

チリトリーは1979年3月25日に任天堂から発売された無線操縦式のロボット掃除機で、同社がコンピュータゲームに注力する前に手がけていた玩具の一部として誕生しました。開発者は横井軍平氏で、彼は携帯型ゲーム機の制作にも関わっていました。チリトリーのアイデアは、新聞の4コマ漫画「フジ三太郎」に影響を受けたとされています。

チリトリーの開発背景

横井軍平氏は、ラジコンを実用的な掃除機として応用することを夢見ていました。彼が思いついたのは、一種の自動掃除機がオモチャの自動車の上に掃除機を搭載するというもので、これがチリトリーの設計理念となったと考えられています。「フジ三太郎」に掲載された漫画では、オモチャの自動車が掃除機を背負って部屋の掃除をする様子が描かれ、このストーリーがチリトリーの開発を後押ししました。

製品の特徴

本体は単二電池4本と9V角形乾電池を使用し、リモコンでも同じく9Vの乾電池が必要です。操作はシンプルで、本体に備わったスイッチをオンにすると、時計回りに回転を始め、リモコンのボタンを押すことでその方向に進む仕組みです。障害物にぶつかると、独自に方向を変えます。ただし、吸引力はそれほど強くなく、消しゴムのカスやパンくず程度を吸い込むことができるのみです。

本体にはステッカーが付属しており、表情を付けることが可能です。これにより、使用者はチリトリーに個性を持たせることができました。ロボット掃除機としての機能は限られていますが、その遊び心あるデザインと操作は、多くの人々に親しまれました。

チリトリーの評価

21世紀に入ってから、チリトリーの地位は見直され、「早過ぎたロボット掃除機」として評価されています。2002年にiRobot社から発売された「ルンバ」は、チリトリーのコンセプトを引き継いでおり、以降、多くのメーカーがロボット掃除機を市場に送り出しています。その意味では、任天堂はロボット掃除機の先駆者だったと言えるでしょう。

「メイド イン ワリオ」シリーズでの登場

チリトリーは多くのゲームにも登場し、特に「メイド イン ワリオ」シリーズでは印象的なキャラクターとして扱われています。ミニゲームでは、ゴミを吸い取ることを目的にしたものがあり、プレイヤーはチリトリーを操縦してお掃除を楽しむことができます。例えば、「あそぶメイドイン俺」や「メイド イン ワリオ ゴージャス」などのゲームで、プレイヤーは画面上のゴミをすべて吸い取ることを目指します。

まとめ

チリトリーは、デザインに独創性と遊び心を融合させた任天堂の画期的な製品でした。発売から数十年経った今でも、ロボット掃除機の歴史の中で重要な位置を占めており、その影響は現代の製品にも色濃く残っています。

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