テンキー

テンキーとは

テンキー（ten key）とは、主にコンピュータで数値を入力するために利用されるキーパッドの一種です。0から9までの10個の数字キーを中心に、演算用のキーや、特殊な機能のキーも備えています。英語ではnumeric keypad、number pad、numpadとも呼ばれ、その便利な機能から多くのデバイスに組み込まれています。

テンキーの起源

テンキーの歴史は古く、世界初の計算機である「Sundstrand Adding Machine」は1914年に登場しました。この計算機は機械式でテンキー配列を採用していました。その後、1957年にカシオ計算機が発売した「CASIO 14-A」は、電気式計算機として初めてテンキーを搭載した製品とされています。従来の「フルキー」方式では、14桁の計算を行うには140のキーが必要でしたが、テンキーを使用することで、数桁の計算に必要なキー数を大幅に削減することができました。

1964年にキヤノンが発売した「キヤノーラ130」は、電子式卓上計算機としてテンキーを採用しました。この製品は使いやすさから大ヒットし、他のメーカーも続々とテンキーを搭載した製品を発表しました。特に1972年にカシオから発売された「カシオミニ」は、テンキー式の計算機のスタンダードとなりました。

コンピュータにおけるテンキー

コンピュータ用のテンキーは、通常キーボードの右側に配置されます。この配置により、迅速な数値入力が可能になります。テンキーには標準的に、数字キー、演算子キー、そしてエンターキーやNumLockキーも配置されており、計算作業を効率的に行うことができます。

テンキーは2つのモードを持ち、NumLockがオフの場合には方向キーとして機能します。一方、NumLockがオンの状態では、数値計算用キーとして動作します。MacのキーボードではNumLockキーがないため、テンキーは常に数値入力に使われます。

テンキーの進化

1980年代以前のコンピュータでは、テンキーがないキーボードも多くありましたが、IBMの初代PCやその後の各モデルではテンキーが標準搭載されるようになりました。1985年以降は、Yves Neuville博士の指導のもとで製品の標準化が進められ、1995年にはISO/IECにおいてテンキーを含むキーボードが標準化されました。

ノートパソコンにおけるテンキー

ノートパソコンでは、通常テンキーが省略されていることが多いですが、大型のノートパソコンにはテンキーが搭載されている場合もあります。一部のノートパソコンでは、Fnキーを使用してテンキーの機能をエミュレーションすることができ、これにより数値の入力が容易になります。

テンキーとプッシュフォンの違い

プッシュフォンと呼ばれる電話機のキーパッドとコンピュータのテンキーでは、数字キーの配置が大きく異なります。例えば、コンピュータのテンキーの上段には7・8・9が配置されている一方で、プッシュフォンでは1・2・3が上段に配置されています。このように、各デバイスごとに異なる配列が存在します。

今後もテンキーは、コンピュータやその他のデバイスにおいて数値入力の効率を高める重要な要素として、その役割を果たし続けるでしょう。

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