デトネーター

アクション映画『デトネーター』：生化学兵器と壮絶な逃亡劇

2006年製作のアメリカ映画『デトネーター』（原題：The Detonator）は、CIAエージェントの活躍と、国家レベルの陰謀が絡み合う、手に汗握るアクション映画です。

物語の中心人物は、アメリカ国土安全保障省のエージェント、サニー・グリフィス。ルーマニアのブカレストで武器密輸組織の壊滅作戦に潜入捜査官として挑みます。彼は巧妙に組織の幹部と接触し、取引を持ち掛けます。しかし、取引成立寸前に密告を受け、潜入捜査は失敗。激しい銃撃戦に発展し、グリフィスは組織のメンバーを射殺、地元警察に逮捕されてしまいます。この騒動により、ロシア軍から強奪された危険な生化学兵器「デトネーター」の奪還作戦も失敗に終わってしまいます。

グリフィスの元上司であるCIA支局長フリントは、彼に新たな任務を与えます。それは、夫殺しの容疑をかけられたナディアという女性をアメリカへ護送すること。しかし、この任務の裏には、フリントによるグリフィスの厄介払いの思惑が隠されていました。グリフィスは以前の任務で違法な武力行使により殺人罪に問われ、間もなく連邦大陪審に出頭しなければなりませんでした。

実はナディアは、「デトネーター」を強奪した巨大犯罪組織のボス、ボスタネスクに追われていました。ボスタネスクは、表向きは成功した実業家ですが、裏では国を牛耳るほどの巨大な犯罪組織を率いる危険な人物です。彼はナディアを捕えるため、彼女の息子を人質に取り、さらに、以前の任務で失敗した従弟のディミトリに、ナディアの捕獲を命じます。

こうして、グリフィスはナディアの命を守るため、そして「デトネーター」を取り戻すために奔走することになります。元同僚であるCIA諜報員シェパードと共に、ボスタネスク率いる組織との壮絶な戦いが繰り広げられます。彼らは、組織の追手から逃れるため、様々な場所で危険な状況に陥りながら、巧みな策略と、激しいアクションで窮地を脱していきます。

映画の見どころは、緊迫感あふれるストーリー展開と、息を呑むようなカーチェイスシーンです。特に、中盤での隠れ家襲撃シーンや、終盤での白バイを使った追跡シーンは、手に汗握る迫力満点の展開となっています。使用される車両にも注目です。アウディ80や、ホンダCR250Rのカウルを装着した特注の白バイなどが登場し、アクションシーンを盛り上げます。

『デトネーター』は、CIAエージェントの葛藤、国際的な陰謀、そして生化学兵器という危険な要素が複雑に絡み合った、スリリングでエンターテイメント性の高い作品です。緊迫感とアクションが好きな観客には、まさにうってつけの映画と言えるでしょう。監督はレオン・ポーチ、製作にはピエール・スペングラー、アンドリュー・スティーヴンス、ドナルド・カシュナーらが参加しています。

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