トランクルーム

トランクルームの概要

トランクルームは、個人や法人が所有する物品を保管するための貸し倉庫として利用されています。この形態は日本特有の和製英語であり、英語では「セルフストレージ」と呼ばれています。特に個人に対しては衣類、趣味の品、レジャー用品など、日常的には使わないアイテムの収納に用いられ、企業の場合は使用頻度が低い事務機器や書類の保管目的で利用されています。

トランクルームは大きく分けて、業者が収納物に対して管理責任を負うものと、利用者がその責任を持つ賃貸借契約に基づくものの二種類です。近年では後者にあたる利用者自身が管理を行うタイプのトランクルームの供給が増加しています。さらに、実情に応じて「認定トランクルーム」「営業倉庫に基づくトランクルーム」「不動産賃貸のレンタル収納スペース」「野積みコンテナ」の四つに分類されます。

利用者の動向

トランクルームの利用者は、もともと法人や富裕層の個人が中心でしたが、近年では一般層の利用も増加しています。特に、東日本大震災以降は災害に備えるために家財や大切な品を自宅以外に保管する「リスク分散」が求められるようになり、多くの人々がトランクルームを利用するようになりました。

収納ビジネスの市場動向

収納ビジネスの市場規模は、矢野経済研究所の調査によると、2011年度には約456億円に達し、前年よりも4%増加しています。このトレンドは、2012年度にも続き、約474億円に達する見込みです。正式な区分では、倉庫業によるトランクルームが約33億円、レンタル収納が約200億円、コンテナ収納が約222億円と分かれています。

東京における供給状況

特に東京23区では、屋内型のトランクルーム供給室数が急増しています。2012年末時点で58,448室に達し、2008年からほぼ倍増しました。また、年間の平米単価は減少傾向にあり、例えば2012年の平均は7,503円/月になっています。この背景には、貸しビル業者等が空きスペースをトランクルームとして活用する動きがあるためです。

トランクルームの種類

運営形態に応じて、トランクルームは主に二つに分けられます。一つは、倉庫業法に基づく営業倉庫のトランクルームであり、国土交通省が定めた約款に基づいて運営され、物品の保管保証が付与されます。もう一つは、不動産賃貸業者によるレンタル収納スペースです。こちらは倉庫業法に準拠せず、自己責任での利用が求められます。これらの運営形態によって、サービスの内容や保証の有無が異なります。

企業の動向と今後の展望

トランクルーム市場には多くの企業が参入しており、例えばイナバクリエイトやエリアリンク、押入れ産業などがあります。また、高架下を活用したレンタル事業も増えており、鉄道会社や高速道路運営会社が手掛ける事例も見られます。今後の市場は、さらなる需要の増加やサービスの多様化が進むと考えられています。政府は倉庫業者が適切に管理することと、利用者がその内容を十分に理解することの重要性を強調しています。これにより、トランクルームの利用者は安心してサービスを受けることができるよう対策が進められています。

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