ドラえもん百科

『ドラえもん百科』の概要

『ドラえもん百科』（ドラえもんひゃっか）は、方倉陽二によるSF考証ギャグ漫画で、原作はお馴染みの『ドラえもん』です。この作品は、1977年から1981年まで雑誌『コロコロコミック』に連載され、全2巻がてんとう虫コミックスとして出版されました。累計発行部数は100万を超え、ロングセラーとなっています。

主な内容

本作は、学年誌などで散発的に紹介されていた『ドラえもん』の様々な設定を集約し、方倉の独自の視点から新たな解説を加えたものです。特に、同時期に放送されたテレビアニメ第2作第1期にもこの作品に基づいた設定が用いられたことから、その影響力は非常に大きなものでした。また、著者による独自の設定から、後に公式設定に組み入れられた要素も存在しますが、反対に公式で否定された設定や、時の経過とともに過去の設定となったものも多くあります。さらに、単行本化の際には連載時とは異なる内容に修正された部分も見受けられます。

収録されているエピソード

本作には多数のエピソードが収録されており、代表的なものに「ドラえもん図鑑」「ドラえもん秘密百科」「ドラえもんテレビ化記念」「ギネスブックに挑戦」などがあります。それらは、登場キャラクターや道具の設定、あらゆる背景情報を詳らかにする内容で構成されています。また、「ドラミちゃん」関連のエピソードも多く含まれており、彼女の個性や役割についても掘り下げられています。

独自のキャラクター設定と時事ネタ

『ドラえもん百科』は、ドラえもんやその仲間たちの性格を、オリジナルとは異なる形で描いているのも特徴です。たとえば、ドラえもんは過去に派遣しても未来を変えられないドジロボットとして描かれたり、のび太は極端にドジ、しずかは夢見がちな少女として表現されるなど、独自の見解が加えられています。また、時事ネタが多数盛り込まれており、「スター・ウォーズ」などの流行を反映した設定が見られます。

連載の最終回

最終回は「ドラえもん 怪物くん百科」と題され、当時放映されていた映画『ドラえもん のび太の宇宙開拓史』に関連し、作者がさいとうはるおに交代したことで新たなテーマに移行しましたが、こちらは短命に終わりました。

公式設定との関連

『ドラえもん百科』に登場する設定の中には、後に公認されるものも含まれています。たとえば、ドラミのタイムマシン「チューリップ号」や、彼女のゴキブリ嫌いといった要素は、アニメ作品に取り入れられていきました。一方で、ドラえもんの鈴に関する設定は表現の変化が生じており、故障による機能の変化が説明された事例もあります。

まとめ

このように、『ドラえもん百科』は単にドラえもんの世界観を解説するだけでなく、独特の視点から新たな情報やキャラクター理解を提供する作品となっています。作品の影響力は大きく、後の『ドラえもん』関連作品においてもその設定が引き継がれることがあるため、ロングセラーとしても評価されています。今もなお、多くのファンに愛され続けていることは間違いありません。

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