ナウト

ナウト（Nauto, Inc.）とは

ナウトは、アメリカのカリフォルニア州パロアルトに本社を構える、画像認識技術と人工知能（AI）アルゴリズムを専門とするスタートアップ企業です。自動運転技術の開発には、膨大な走行データと事故原因の分析が不可欠とされています。ナウトは、このデータ収集の重要な手段として、大手自動車メーカーや著名な投資家から出資を受けており、その技術力と将来性が高く評価されています。

製品概要

ナウトが提供する主な製品は、AIを搭載した通信型ドライブレコーダーと、それを管理するためのウェブアプリケーションを組み合わせたソリューションです。このシステムは法人向けに開発されており、以下のような特徴があります。

後付け可能なドライブレコーダー: 様々な車種に簡単に取り付けられる設計で、LTE通信機能を内蔵しています。
デュアルカメラ: 前方と後方の2つのカメラを搭載し、車外と運転手の様子を同時に記録します。これにより、より詳細な状況把握が可能になります。
クラウド連携: 走行データや事故原因を通信ネットワークを通じてクラウドサーバーに送信し、ディープラーニングとコンピュータビジョン技術を活用して解析・蓄積します。
リアルタイム危険検知: ドライブレコーダー内部のGPUが、映像をリアルタイムで分析し、危険を検知した場合、その場で運転手に警告を発します。これにより、事故の未然防止に貢献します。

安全運転支援機能

ナウトのドライブレコーダーは、事故防止のための様々な機能を提供しています。

スマホ操作検知: 運転中のスマートフォンの操作を検知し、運転手に注意を促します。
前方衝突警告: 前方車両との衝突リスクを検知し、警告を発します。
運転行動監視: 顔認識機能を用いて、居眠り運転、脇見運転、煽り運転などの危険な運転行動を検知し、運転手に警告します。
リスク評価: 勤務中の運転手ごとの運転リスク情報を蓄積し、雇用主は高リスクドライバーを特定することができます。

これらの機能により、事故の削減に貢献すると共に、企業の安全管理体制の強化を支援しています。

ナウトの導入事例

アメリカのタクシー会社では、ナウトのドライブレコーダー導入後、事故件数が2割減少したという報告があります。この事例からも、ナウトの製品が事故防止に有効であることがわかります。

日本での展開

ナウトは、2017年7月に日本法人「Nauto Japan合同会社」を設立し、2018年8月から日本国内でのサービス提供を開始しました。オリックス自動車も、Nauto製のドライブレコーダーを日本国内で提供しており、その普及が進んでいます。

沿革

2015年3月3日: Stefan HeckとFrederick Sooによって設立
2016年4月13日: シリーズAラウンドで1200万ドルを調達
2016年10月7日: シリーズAラウンドで追加資金調達
2017年6月27日: 日本法人設立
2017年7月19日: シリーズBラウンドで1億5900万ドルを調達
2018年8月6日: オリックス自動車が日本国内提供開始
2023年6月15日: Stellantis Venturesから資金調達

関連情報

関連項目: ドライブレコーダー、自動運転
外部リンク:
Nauto
* Nauto Japan

もう一度検索