ナチュラ(Natura)
ナチュラ、正式名称ナチュラ・コスメティコス(Natura Cosméticos S/A)は、南米
ブラジルを拠点とする主要な
化粧品メーカーです。
1969年に設立され、
ブラジル国内はもとより国際的な市場でも事業を展開しています。
事業モデル
同社のビジネスモデルの根幹を成すのは、
1974年に導入された直接販売方式です。このシステムでは、「コンサルタント」と呼ばれる多数の独立した販売員を通じて、製品が消費者に届けられます。このネットワークは非常に大規模であり、
2008年の時点で、
ブラジルを含む
アルゼンチン、チリ、
コロンビア、
フランス、
メキシコ、
ペルーといった国々に80万人を超えるコンサルタントが活動していました。この強固な販売網が、ナチュラの成長を支える重要な要素となっています。
ブランド哲学と製品への取り組み
ナチュラは、そのブランドアイデンティティとして「自然派
化粧品」を強く打ち出しています。製品には天然由来の素材を積極的に使用しており、自然の恵みを活用した製品開発に注力しています。また、事業活動全体を通じて環境保護に高い優先順位を置いています。持続可能性への配慮と自然との共生は、同社の企業文化およびブランドイメージの中心となっています。
市場での地位と財務状況
ナチュラは、その市場における地位を着実に高めてきました。特に注目すべきは、
2006年に
化粧品業界の主要プレイヤーであるエイボン社の売上高を上回ったことです。これにより、ナチュラはグローバルな
化粧品市場においても重要な存在として認識されるようになりました。
財務面では、
2004年に
ブラジルのサンパウロ証券取引所に株式を上場しています。上場以降も好調な業績を維持しており、例えば2009年上半期には18.9億
レアルの売上高を記録しました。これは前年同期と比較して22%の増加にあたります。また、株式市場からの評価も高く、
2004年の新規
株式公開以来、株価は213%の上昇を見せています。
ナチュラは、その独自の直接販売モデル、自然と環境への深いコミットメント、そして堅調な財務パフォーマンスを通じて、
ブラジルを代表する企業の一つとして国内外でその存在感を示しています。