ナトゥレーザ

『キャプテン翼』の世界に現れた、ブラジルが誇る稀代のファンタジスタ、ナトゥレーザ。彼の名はポルトガル語で「自然」を意味し、その名の通り、アマゾンの密林で育まれた野生的な感性とサッカーセンスを持ち合わせています。

人物

アマゾン奥地で自然と共に暮らしていたナトゥレーザは、日本のサッカー関係者にもその存在を知られることとなった謎めいた存在でした。大空翼より年下でありながら「若きサッカー王」と称され、指導者ロベルト・本郷によってその桁外れの才能を見出されます。ロベルトはナトゥレーザをブラジルユース代表の「隠し玉」として温存するため、一時的にチームの背番号10を排除する方針を打ち出しました。当初、都市の空気を嫌い、「自分がいなくともブラジルは世界一になれる」と考えてユース代表への参加に乗り気ではありませんでしたが、兄カリオの予言めいた言葉に心を動かされ、チームに加わる決断をします。

物語の初期には、ある種悟りを開いたような達観した雰囲気を持っていましたが、プロの世界に飛び込み、大空翼を追いかけるようになってからは、感情を露わにする子供っぽい一面も描かれるようになります。

経歴

彼の公式戦デビューは、ワールドユース決勝の対日本戦、後半終了間際という劇的な状況でした。途中出場ながら、ピッチに入ってわずか1分足らずで、若林源三からペナルティエリア外からの「二段フライングシュート」で得点を奪うなど、その技術の高さと対応力を見せつけます。しかし、延長戦でのゴールデンゴール方式において、翼との競り合いに敗れて決勝点を許し、チームは準優勝に終わります。この敗北を機に、ナトゥレーザはプロサッカー選手として翼を追ってスペインへ渡ることを決意します。

プロの世界では、兄カリオを代理人としてレアル・マドリードの入団テストを受けます。空気の汚さを理由にマスクを着用し、挑発的なプレーを見せたため、テストは絶望視されました。しかし、彼の才能を唯一見抜いたディレクター、テラパスケによって即座に契約が成立します。レアル・マドリードの一員となったナトゥレーザは、伝統の一戦「エル・クラシコ」でFCバルセロナ所属となった翼と激突。神秘的な背番号「0」を背負い、ロベルト・カルロスとの強力なツインシュートなどを見せますが、再び翼に敗れます。

その後の対戦では、精神的な成長を見せます。チームの勝利のために自己中心的だったプレーを改め、ジョーカーとしての役割を受け入れ、守備をチームメイトに任せて攻撃に専念するなど、連携プレーを意識するようになります。また、それまで毛嫌いしていた筋力トレーニングにも励み、肉体的な強化にも着手します。ワールドユースでの敗北や、翼とのライバル関係を通じて、彼はプレイヤーとして、そして人間として成長を遂げていきます。

戦績

ワールドユース選手権準優勝
リーガエスパニョーラ得点王 (サンターナと同点)
マドリッドオリンピック出場

主な得意技

ナトゥレーザは、その類稀なる身体能力とセンスで、多彩かつ規格外の技を繰り出します。

フライングドライブオーバーヘッド: 翼のフライングドライブシュートを応用したオーバーヘッドキック。空中で複数回軌道を変え、着地後にもバウンドするという予測不能な変化を伴います。
オーロラフェイント: 高速ドリブルによって無数の残像を生み出し、相手を翻弄する技。元はレヴィンの得意技です。
ツインシュート: チームメイトと同時にボールを蹴り込み、威力を高めるシュート。作中ではロベルト・カルロスやサンターナと共に使用しています。
反動蹴速迅砲: 相手のシュートの勢いをそのまま利用し、カウンターで打ち返す技。強烈な威力を持つため、ボールに龍の残像が見えることもあります。元々は肖俊光の必殺技です。
無回転シュート: 回転をかけずに放つことで、キーパーの手元で不規則にブレるシュート。元はオチャドの技です。
0度シュート: ゴールライン際のごく角度のない位置から、カーブをかけてゴールを狙うシュート。
3段オーバーヘッドキック: 肉体改造を経て体得した技。従来のオーバーヘッドキックにさらなる強化を加えたものです。
* フルメタルファントム: ナトゥレーザとサンターナによる合体技。ナトゥレーザのトルネードシュートにサンターナの雷獣シュートと反動蹴速迅砲を組み合わせた複合技です。

ゲーム『キャプテン翼～たたかえドリームチーム～』では、声優の梶裕貴がナトゥレーザの声を担当しています。

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