ネオユニヴァース

ネオユニヴァース

ネオユニヴァース（英：Neo Universe、2000年5月21日 - 2021年3月8日）は、日本の競走馬及び種牡馬で、その競走生活では多くの名誉を獲得しました。
彼は2003年に、JRAが発行した短期免許を持ったイタリア人騎手ミルコ・デムーロのもとで、皐月賞（GI）と東京優駿（日本ダービー、GI）を制し、同年のJRA賞最優秀3歳牡馬に選ばれるという栄誉に輝きました。また、スプリングステークス（GII）、きさらぎ賞（GIII）、産経大阪杯（GII）といった他の重賞競走でも勝ち名乗りを上げました。

生い立ち

ネオユニヴァースは2000年に北海道千歳市の社台ファームで生まれました。彼の父は、1989年の全米年度代表馬でリーディングサイアーとして名を馳せたサンデーサイレンスです。一方、母のポインテッドパスはフランスで競走した経験があり、カルヴァドス賞(G3)の勝ち馬フェアリーパスを産んでいた血統背景を持っています。
幼少期は馬体の形にある程度の良さが見られましたが、全兄たちと比べると頼りなさを感じさせる見た目で、競走馬としての将来に不安を抱かれることもありました。しかし成長と共に、その能力を徐々に発揮していくこととなります。

競走人生の始まり

競走年齢の2歳となる2002年には、栗東トレーニングセンターの瀬戸口厩舎に入厩し、調教が始まりました。初戦の新馬戦では1番人気に支持され、見事に勝利を収め、続くレースでも順調に成績を重ねていきます。
春のクラシック戦線では、騎手変更があり、デムーロが新しい鞍上として起用されることになりました。このコンビで迎えたスプリングステークスで、ネオユニヴァースは見事に勝利を収め、その後の皐月賞でも1番人気に支持されました。

二冠制覇

皐月賞の後、6月の東京優駿（日本ダービー）へ出走。雨による不良馬場の中、前方につけ、ゼンノロブロイを楽々とかわし、優勝を遂げました。この二冠制覇は、競馬界に大きな足跡を残すこととなります。
特にデムーロがこのダービー勝利を喜ぶ姿は印象的で、ファンからも多くの声援が寄せられました。

種牡馬としての成功

競走を引退した後、ホーススタリオンとしての道を選びました。初年度から多くの産駒を持ち、彼らの中には皐月賞やダービーを制した馬たちもいます。特に、アンライバルドやロジユニヴァース、ヴィクトワールピサなど、実績を残す優れた馬たちを手掛け、父子制覇も果たしました。
「夢の馬」と称された彼の存在は、後の騎手や関係者たちにとっても大きな影響を与え、多くの馬が彼の血を引き継ぐことになります。

引退とその後

2021年、ネオユニヴァースは種付け中の事故により、若干21歳でその生涯を閉じました。この訃報は日本競馬の愛好者にとって大きな驚きと悲しみをもたらし、彼が辿った競走人生は多くの人々に記憶されることとなったのです。
その走りは、競走馬としての理想像の一つを形作り、多くのファンの心に残り続けることでしょう。

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