ノーゲーム

ノーゲームの概念と条件

ノーゲームとは、野球やソフトボールにおいて試合が途中で中断された場合に、正式な試合として成立しないと球審により認定される状況を指します。この宣告がなされるのは、試合が打ち切りになった理由が、天候や競技場の状態などの影響による場合です。すなわち、試合が成立する条件が満たされない場合に、自動的にノーゲームが決定されるのです。試合がノーゲームと宣告されると、その試合に関するすべての記録は無効となり、記録としては「無効試合」として扱われます。

ノーゲームが宣告される主な条件

ノーゲームが宣告されるためには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります:

1. 5回の表裏が完了していない
2. 5回表の終了時または5回裏の途中に、後攻チームがリードしている
3. 5回裏において後攻チームが得点し、その結果同点となっている

これらの条件のいずれかが満たされない場合、試合はノーゲームとして取り扱われます。逆に、これらの条件が満たされ、同点の場合にはサスペンデッドゲームと呼ばれる別のカテゴリーが適用されます。ただし、日本プロ野球や高校硬式野球の場合、サスペンデッドゲームの規定は適用されず、高校軟式野球には特別継続試合としての扱いが存在します。特に決勝戦の場合には再試合が行われる場合もあります。

2022年からは、選抜高校野球や高校野球選手権大会では、試合が打ち切りになった後も、翌日以降に試合を再開して決着をつける「継続試合」の制度が導入されました。このように、試合の中断に対するルールは年々変化しています。

高校野球では、前述の「5回」の条件が「7回」に置き換えられます。また、アマチュア野球連盟においても、天災や日没などの理由で試合が中断される場合、7回完了でなければノーゲームとして扱われることが多いです。ただし、点差に基づく打ち切りがあれば、5回で成立とされる場合も見受けられます。

ノーゲームの記録と試合チケットの取り扱い

試合中にノーゲームが宣告された際には、そのイニングの得点に「x」を付記して記録します。また、ノーゲームが確定した場合、観客が購入した入場券は払い戻されることとなっています。これは、試合が正式に成立しなかったため、観客に対して公正を図るための措置です。

他のスポーツにおける類似の概念

他のスポーツにおいても類似のケースが存在します。例えば、ボクシングやプロレスにおいては試合不成立の際に「無効試合」（ノー・コンテスト）という扱いがされます。また、サッカーにおいても、悪天候やその他のトラブルにより試合が中止された場合、主催者の判断によって試合不成立となるケースがあります。日本プロサッカーリーグ（Jリーグ）でも、同様の条件で試合が取りやめられることがあるため、ノーゲームの考え方は他の競技にも大きな影響を及ぼしています。

このように、ノーゲームの概念は野球・ソフトボールに特有のものであり、試合の進行や結果に対する公平性を保つための重要な規定となっています。

もう一度検索