ハットリス

ハットリス：帽子が積み重なる、中毒性の高いパズルゲーム

『ハットリス』（Hatris）は、1990年にBPSよりアーケードゲームとしてリリースされた、落ち物パズルゲームです。テトリスで知られるアレクセイ・パジトノフ氏の手による作品であり、その影響はゲーム性に見られますが、独自の要素も数多く取り入れています。アーケード版の成功は、数々の家庭用ゲーム機への移植、そして携帯アプリへの展開へと繋がりました。

ゲーム概要

ハットリスの基本的なゲーム性は、上から落ちてくる帽子を操作し、同じ種類の帽子を5つ揃えて消していくというものです。テトリスと同様に、積み重ねられた帽子が画面上部に達するとゲームオーバーとなります。

アーケード版では、6列×最大35段のフィールドに、2個一組で帽子が落ちてきます。プレイヤーはAボタンによる左右入れ替え、方向レバーによる左右移動で帽子を操作し、積み重ねていきます。帽子の種類はシルクハット、ソフト帽、ヘルメット、ソンブレロ、王冠、三角帽の6種類。それぞれの帽子は高さや幅が異なっており、積み重ねる際には、帽子の形状による干渉を考慮する必要があります。

独自のゲーム性

ハットリスには、テトリスにはない独自の要素が複数存在します。

FIRE: 時折、「赤い炎」または「青い炎」のセットが落ちてきます。赤い炎は1列の帽子を、青い炎は縦1列全ての帽子を燃やして消去します。ただし、王冠は燃えません。FIREによる消去は、得点に加算されますが、セット数にはカウントされません。また、消去数によっては得点に補正がかかります。
SALE: 帽子を消すごとに右上の「SALE」文字が点灯し、15セット目を消すとショップが開設されます。ここでは、フィールド上の帽子の種類を1つ選択して全て消去できます。アーケード版では時間制限があり、選択しなかった場合はボーナス点が加算されます。また、一定条件を満たすとショップをストックすることも可能です。
連続消し: 1組の帽子で連続してセット消しを行うと、2つ目の消去時に得点に倍率補正がかかります。左右同時消去の場合は、右側の消去に補正がかかります。
6段以上の重ね消し: SALEで帽子を消去した際に、挟まれていた同じ種類の帽子が5段以上ある場合、それらは消去されずに残り、消去すると高倍率のボーナスが加算されます。

移植版

ハットリスは、アーケード版以外にも、ファミリーコンピュータ、PCエンジン、ゲームボーイ、PC-9801など、多くの家庭用ゲーム機に移植されました。移植版では、アーケード版をベースとしつつも、帽子のデザイン変更、FIREの有無、ステージ制の導入、難易度調整など、多くの違いが見られます。特に、家庭用版では、ステージ構成やBGMが追加され、より遊び応えのある内容となっています。また、携帯アプリ版では、エンドレスモードやタイムアタックモードが追加され、様々なプレイスタイルに対応しています。

評価

ハットリスは、ファミコン通信などのゲーム誌でレビューされ、テトリスとの類似性やゲーム性について賛否両論が巻き起こりました。しかし、中毒性のあるゲーム性や、独自の要素は高い評価を得ています。

まとめ

ハットリスは、テトリスにインスパイアされたながらも、独自のゲーム性と魅力を持つ落ち物パズルゲームです。アーケード版から携帯アプリ版まで、様々なプラットフォームで展開され、多くのプレイヤーを魅了してきました。その中毒性と、多様なゲームモードは、今もなお多くのファンを惹きつけています。

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