ハヤカワ文庫

ハヤカワ文庫について

株式会社早川書房が発行するハヤカワ文庫は、1970年に創刊されて以来、主にSFや推理小説を中心に多くの作品を収録している文庫レーベルです。この文庫は、日本国内外の著名な作品の翻訳版が多く、特に海外のSF作品に強みを持っています。ハヤカワ文庫には、複数のサブレーベルがあり、その中にはハヤカワ文庫SF、ハヤカワ・ミステリ文庫、ハヤカワ文庫JAなどが含まれています。

沿革

ハヤカワ文庫は1970年8月に創刊され、その後の数年間にさまざまなサブレーベルが設立されました。その中でも特に注目すべきは、1970年に創刊されたハヤカワSF文庫です。これは、現代のSF作品を多く扱い、初期には日本のSF作品も収録されていました。1972年にはハヤカワ文庫NVが創立され、海外一般小説を集めることを目的としたレーベルが追加されました。さらに1973年にはハヤカワJA文庫が開始され、日本作家による作品が中心となりました。

1976年にはハヤカワ・ミステリ文庫が創刊され、以来、海外のミステリ小説を数多く刊行してきました。この文庫は、アガサ・クリスティの作品などを初めとする多くの有名なタイトルを扱っています。

1990年代に入ると、ハヤカワ文庫はさらに多様化し、ハヤカワ文庫FT（ファンタジー）、ハヤカワ演劇文庫、ハヤカワepi文庫などの新たなサブレーベルが設設されました。これにより、さまざまなジャンルに渡る書籍を提供することが可能になりました。

主要なサブレーベル

• - ハヤカワ文庫SF: 海外のSF作品が多く収録されています。背表紙のデザインにより、娯楽系の「白背」と本格SFの「青背」に分かれています。
• - ハヤカワ文庫NV: 主に海外の一般小説を収録しており、エンターテイメント性のある作品が中心です。
• - ハヤカワ文庫JA: 日本人作家の作品を扱っており、SFのみならず様々なジャンルに裾野を広げています。エッセイや漫画も収録されています。
• - ハヤカワ・ミステリ文庫: 海外のミステリ作品が中心で、各国の様々な作品を網羅しています。
• - ハヤカワ文庫NF: ノンフィクションの書籍を中心にしており、さまざまなテーマに基づく作品を収めています。
• - ハヤカワ文庫FT: 海外ファンタジー小説を専門としており、ファンタジーの世界観を楽しむことができます。

近年の展開

近年は、電子書籍の普及とともに新たな展開を見せており、2015年にはアメリカの〈ミステリアスプレス〉社と連携し、英米のミステリを原文で読むことができる電子書籍シリーズを開始しました。また、2019年にはハヤカワ時代ミステリ文庫が創刊され、時代小説を扱う新たなレーベルとして注目を集めています。

ハヤカワ文庫は、創立から50年以上にわたり、日本国内外の文学を多様な形で提供し続けており、今後もその影響力と創造性を発揮し続けることでしょう。さまざまなジャンル、形式の作品を扱うことで、多くの読者に愛されているハヤカワ文庫の歩みは、これからも続いていきます。

もう一度検索