ハンドドライヤー

ハンドドライヤーの概要

ハンドドライヤーは、主に手を乾かす目的で用いられる電動の装置です。タオルペーパーに代わるものとして「エアータオル」とも呼ばれます。多くの製品が市場に存在し、構造はほぼ同じですが、運転方式やオプション機能によりさまざまな種類があります。

構造

ハンドドライヤーは、センサーを使って手を感知し、風を送る仕組みになっています。送風方法には、掌の下から上方へ送風する方式と、手を挟む形で前後左右から風を当てる「おばけ型」と呼ばれる方式があります。また、乾燥と同時に殺菌が行われるように、紫外線を照射する殺菌灯やアルコールを噴霧する機能が搭載された製品もあります。特に、食品関連や医療機関での使用を考慮されているため、高い機能性が求められています。さらに、乾燥と滅菌が完了するまで自動ドアが開かない仕組みのものも存在しています。吸引型のハンドドライヤーは、その性能の高さから注目されています。

特徴

ハンドドライヤーの大きな特徴のひとつは、ペーパータオルや布ロールタオルを使う場合と比較して、ランニングコストが低い点です。製造各社は、コストを把握した上で、ハンドドライヤーの方が環境負荷が小さいと主張しています。ペーパータオルを全量リサイクルした場合でも、工場への運搬や薬品消費を考慮すると、ハンドドライヤーの方が環境への影響が少ないとされています。

細菌の拡散問題

しかし、ハンドドライヤーには別の問題も抱えています。英ウエストミンスター大学の研究によれば、最新型のハンドドライヤーが送風する際、室内に細菌やウイルスが広がるリスクが高まると報告されています。その実験によると、ジェット式ハンドドライヤーは温風ドライヤーの約20倍、ペーパータオルの約190倍もの細菌やウイルスを飛散させるという結果が出ました。これに対し、ダイソンは反論を試みていますが、感染リスクに対するデータは依然として不十分です。

細菌が飛散しても、手を乾かさないままではバクテリアが生き残るため、手を乾かす必要性が強調されています。ペーパータオルは最も衛生的な手段とされ、ハンドドライヤーを使用しても病原体の取得リスクは低いとの意見も存在します。

消費電力

冷風を使用するハンドドライヤーは、約1150ワットの消費電力を要し、15秒以下の使用で約0.9円の電気代がかかります。この点において、一般的な温風ドライヤーや電子レンジとも同等です。

日本での歴史

日本において、ハンドドライヤーの歴史は1933年に遡ります。大阪金属工業（現在のダイキン工業）が最初の電気手拭機を販売しました。この商品は熱風によって手を乾かすもので、現在のハンドドライヤーとは異なる仕組みでした。1960年には東京エレクトロンが現在の主流となるハンドドライヤーを発売し、以降多くの会社が参入して競争が始まりました。1990年代にはハンドドライヤーの普及が進み、環境問題の観点から紙を使わない製品が注目されました。

2020年には新型コロナウイルスの影響により、日本経済団体連合会がハンドドライヤーの使用を停止する提言がなされましたが、その後の研究により感染リスクは低いとの結論に至り、ガイドラインの見直しが進められています。日本におけるこのような対応は他国ではあまり見られず、特異な例となっています。

主なメーカー

ハンドドライヤーの主な生産メーカーには、以下のような企業があります:

• - 東京エレクトロン（エアータオル）
• - TOTO（クリーンドライ）
• - パナソニック（パワードライ）
• - 三菱電機（ジェットタオル）
• - ダイソン

これらのメーカーは、様々な機能やデザインのハンドドライヤーを提供しています。

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