ハートランドビール

ハートランドビール（Heartland Beer）

ハートランドビールは、1986年より麒麟麦酒が製造するピルスナースタイルのプレミアムビールです。このビールは、麦芽100%で作られた非熱処理（生）タイプで、見た目は鮮やかなエメラルドグリーンの瓶に入っています。キリンビールのブランド名は描かれておらず、他の大手ビールと同様にリターナブル瓶を使用しており、販売店に返却することでデポジットが得られます。

概要

ハートランドビールの起源は、テレビ朝日のグルメ番組『愛川欽也の探検レストラン』に遡ります。この番組の一環として、初めてハートランドビールが開発され、当初はテレビ朝日直営のレストラン「たべたか樓」だけで提供されました。主成分には麦芽とアロマホップを使用し、非常に高品質なビールとして知られています。

1987年には缶ビールの販売も開始され、全国で流通が広がったものの、1991年には缶ビールの生産が終了しました。2023年現在では樽と瓶（500mlおよび330ml）のみで販売されており、缶ビールは取り扱っていません。特に神奈川県では、上面発酵で作られる「ハートランド・アルトビール」という珍しいビールも販売されていました。

外観

このビールの瓶デザインはレイ吉村によるもので、シカゴ近郊の大樹をモチーフにして作られています。特に特徴的なのは、透明なエメラルドグリーンの瓶本体に直接エンボスでデザインされている点です。また、ラベルは細長い首の部分に付けられ、そこに原材料などの情報が記載されています。王冠にも同様に大樹のマークが施されており、一般的なビールとは一線を画した印象を与えています。このため、お店によっては「海外ビール」と誤解されることもあります。

味

ハートランドビールは、その味わいがとても軽快でキレがあります。爽やかな香りと相まって、飲みやすく清々しいビールとなっています。この軽やかな味わいは、食事ともよく合い、様々なシーンで楽しむことができるでしょう。

ビアホールの歴史

1986年には、六本木にビアホール「ハートランド・穴ぐら」がオープンしました。このビアホールは大正時代に設計された洋館とウイスキー貯蔵庫を改装して造られ、およそ55万人の来客がありましたが、1990年に閉館しました。「穴ぐら」ではハートランドビールを提供し、定期的にライブイベントも行われていました。

新たなコンセプトショップ

2003年には、ハートランドビールのコンセプトショップ「HEARTLAND」が六本木ヒルズ内に開店しました。ここでは、DJによる音楽やスタンディングバー形式の新しいスタイルを導入し話題となりました。しかし、2008年に一旦閉店後、新たなコンセプトで再開店しつつも、2014年に完全に閉店となりました。

このように、ハートランドビールはただの飲料ではなく、多くの文化的背景と歴史的なストーリーを持っています。ビール愛好家にとっては、一杯のビールを楽しむことにとどまらず、その背景にある魅力を知ることも一つの楽しみと言えるでしょう。

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