ハーフサイズカメラ

ハーフサイズカメラ

ハーフサイズカメラは、135フィルムを使い、特に「ライカ判」よりも小さいサイズで撮影することができるカメラです。このカメラの特徴は、通常のフォーマットである36mm × 24mmのフィルムの半分、つまり17mm × 24mmまたは18mm × 24mmを使用する点にあります。そのため、このカメラは「ハーフサイズ」と呼ばれています。

1. 概要

ハーフサイズカメラは、映画の撮影用途に使われた35mmフィルムを基にしており、フィルムが左右に送られるライカタイプのカメラと同様の原理を使っています。しかし、1コマの感光面が小さくなるため、同じ大きさで写真を得ようとすると引き延ばしが必要になります。この際、多少の画質の劣化が生じることがありますが、その分フィルムの使用枚数は2倍になるため、非常にコストパフォーマンスに優れた選択肢となりました。

フィルムの価格が高かった時代には、ハーフサイズカメラはその特徴から非常に人気がありました。しかし、フィルムのカラー化による現像やプリント価格の上昇、そしてフルサイズカメラの価格が手頃になったことにより、次第にハーフサイズカメラの人気は衰えていきました。

2. 技術的特徴

ハーフサイズカメラの撮影方式にはいくつかのバリエーションがあります。多くのモデルは横送り方式で、通常の構え方でポートレートを撮影することができます。他にもフィルムを縦に送る機構を持ち、フルサイズカメラ同様の方式で横位置の写真を撮れる機種も存在しました。

また、ハーフサイズカメラはその小型軽量の特性から、持ち運びが便利でフィルムの枚数が多く撮れることから、旅行や日常のスナップ写真に非常に適しています。ただし、DPEショップでフィルムを現像する場合、ハーフサイズに対応していない設備の場合、別途手配が必要になり、場合によっては現像に時間がかかるデメリットがあります。

3. 日本製のハーフサイズカメラ

コニカ

コニカは数多くのハーフサイズカメラを販売しました。特に1960年代にリリースされたオートレックスシリーズは、一眼レフタイプでハーフ判とライカ判の切り替えが可能でした。1970年代には、コニカレコーダーシリーズも登場しました。

オリンパス

オリンパスは「ペン」と名付けた一連のハーフサイズカメラを製造しました。1959年の「ペン」から始まり、特にペンFシリーズは一眼レフタイプで人気がありました。

その他のメーカー

リコーやキヤノン、ヤシカなども独自のハーフサイズカメラを展開し、各メーカーによって異なる技術やデザインが注目されました。

4. まとめ

ハーフサイズカメラは、その特殊なフォーマットと高い撮影効率から、写真愛好家やスナップシューターに愛されてきましたが、デジタル化が進んだ現代では使用機会が減っています。それでも、その魅力は今なお健在で、フィルム写真への興味を持つ人々にとっては魅力的な選択肢となっています。

このようにハーフサイズカメラは、特定のニーズに応える形で歴史の中で重要な役割を果たしてきました。これからもその存在は色あせることなく、フィルムカメラファンの手に残り続けることでしょう。

もう一度検索