バックヤード

バックヤードとは、小売店舗や博物館などの施設において、一般の利用者や来場者が通常立ち入ることのない、施設の裏側にあたる場所を指します。英語の「裏庭」を意味するbackyardに由来しますが、日本語ではより広い意味で使われています。バックヤードは、施設の円滑な運営を支える重要な役割を担っています。

博物館・美術館におけるバックヤード

博物館や美術館では、収蔵庫、燻蒸室、研究室、制作室、事務室、機械室などが非公開のバックヤードに該当します。これらの場所は、展示品の収集、保存、研究、調査など、施設の根幹をなす活動が行われる重要なエリアです。また、展示スペースに隣接する展示品の保管倉庫や、教育普及部門の準備室、ミュージアムショップの販売品倉庫なども、来館者が立ち入ることができないバックヤードです。一部の博物館や美術館では、普段見ることができないバックヤードの様子を特別に見学できるバックヤードツアーを実施し、来館者に施設の活動への理解を深めてもらう試みも行われています。

小売業におけるバックヤード

小売店におけるバックヤードは、店舗の売り場以外の場所を指します。商品の荷受け、一時保管スペース、従業員の休憩室、道具の格納場所などが含まれます。スーパーマーケットでは、青果、精肉、鮮魚などの部門ごとに食品加工・調理スペースが設けられ、商品の加工や値付け、販売準備が行われます。特に、店内で調理される惣菜は「寿司」と「フライ」に大別され、バックヤードの調理場で調理されます。スーパーマーケットのバックヤードは、店舗全体の面積の約30%を占めるほど、店舗運営に欠かせないスペースです。

バックヤードの重要性

バックヤードは、施設の運営を円滑に進める上で非常に重要な役割を担っています。商品の保管、加工、調理、研究、調査、事務作業など、施設を支えるさまざまな活動がバックヤードで行われています。バックヤードが効率的に機能することで、施設全体のサービスレベルの向上にもつながります。

圧縮陳列との対比

バックヤードの概念と対照的な販売手法として、圧縮陳列があります。圧縮陳列は、バックヤードを設けず、全ての商品在庫を売場に陳列する販売手法です。ドン・キホーテ、コストコ、業務スーパー、ヴィレッジヴァンガードなどがその代表例です。

バックヤードは、一般の利用者の目に触れることは少ない場所ですが、施設が円滑に運営されるためには欠かせない、重要な場所です。バックヤードの機能や活用方法を理解することは、施設全体の理解につながると言えるでしょう。

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