パデル

パデルの概要

パデル（padel）は、ラケットを使って楽しむスポーツで、1980年代から参加者の数が増加を続けています。この競技は、スペインを発祥としており、ポルトガル、イギリス、イタリア、フランス、スウェーデン、アルゼンチン、メキシコ、ブラジル、カナダ、ウルグアイ、チリなど多くの国々で親しまれています。特に最近では、アメリカ合衆国でもプレイヤーが増加しており、注目を集めているスポーツのひとつです。

歴史

パデルの起源は、1970年代中頃にスペインのAlfonso de Hohenloheによって考案されたと言われています。このスポーツは、初めはスペインや拉丁アメリカ諸国で人気を博しましたが、徐々にヨーロッパや他の地域へもその魅力が広がりました。特にスペイン南部のコスタ・デル・ソル地域は、多くのイギリス人観光客が訪れる場所であり、ここでのパデルの普及はイギリスにおける人気の基礎を築くこととなりました。

1980年代初頭、パデルはスペインの大都市であるマドリッドやバルセロナから広まり、各地にパデルコートが誕生しました。1987年にはスペイン・パデル協会が設立され、その後も国際連盟や国内連盟が相次いで設立されました。2010年には国内のパデル人口が約200万人に達し、2013年には300万人を超えました。テニス界のスター選手であるラファエル・ナダルやノバク・ジョコビッチもパデルの魅力に魅了されている一員です。

ヨーロッパ及びアメリカへの普及

1990年代後半から、パデルの人気はフランス、イタリア、ポルトガルをはじめとする欧州諸国に広がり、各国でお互いの連盟が設立されていきました。スペインの成功事例を目の当たりにしたアルゼンチンの富豪ジュリオ・メンディテンギは、1975年に自国にパデルを持ち込むことを決意し、そこからアルゼンチンで2番目に人気のあるスポーツとして成長しました。さらに、ブラジルやウルグアイ、メキシコ、チリなどの国々にもパデルは広がっています。近年では北米市場にもその波が及び、アメリカやカナダでの競技者も増え続けています。

日本におけるパデルの広がり

2013年、日本へのパデルの導入を目指し、SpainPadel Projectが設立され、埼玉県所沢市に初のパデルコートが建設されました。その後、大阪市にも関西初のコートが完成し、日本国内での普及が加速しています。日本パデル協会の名誉会長には、『キャプテン翼』の作者である高橋陽一氏が就任しており、彼自身もパデルの愛好者です。

特徴

パデルは、テニスと比較して体への負担が少なく、年齢や技術に関係なく楽しむことができるスポーツです。初めてプレーする人でも、20分程度でプレーのコツをつかむことができ、気軽に楽しむことができます。基本的にはダブルス形式で行われますが、最近ではシングルス専用コートも増えてきています。

コートとラケット

パデルコートは、ダブルスの場合において20メートル×10メートルの広さで、ネットで区切られています。コートは強化ガラスや金網で囲まれており、その構造により独特の試合が展開されます。ラケットは特定のサイズが決まっており、ストラップを付けることで事故を防止する役割も果たしています。

ルール

パデルの得点はテニスと同様に数えます。サーブはアンダーサーブで対角のサービスコートに打ち込み、ボールが壁に当たることも有効です。サーブの際には、相手側のファールに注意が必要です。行われるショットには様々な技術があり、プレーヤーはこれらの技術を駆使しながら試合を進めていきます。

国際大会

パデルの国際大会は1992年に第1回が開催されて以来、2年ごとに行われ整備され続けています。また、2005年からはプロツアーが行われ、世界中でのパデル競技の盛り上がりが期待されています。

このように、パデルはその楽しさと戦略性から、多くの国で競技者人口が増え続ける魅力的なスポーツです。

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