パンパース

パンパースの歴史と特長

パンパース（Pampers）は、プロクター・アンド・ギャンブル（P&G）が展開する世界的に有名な紙おむつブランドです。一般的に紙おむつといえばパンパースの名前が挙がるほど、このブランドは同製品の代名詞として広く認識されています。そのブランド名は英語の「pamper」に由来し、これは「甘やかす」や「ほしいままにさせる」という意味がありますが、転じて赤ちゃんを「大切に育てる」というニュアンスも含まれています。

パンパースの誕生

1940年代の終わりから1950年代にかけて、P&Gの開発者が自身の孫のおむつ交換の経験から、使い捨て紙おむつの開発に着手しました。1961年に初めて製品として市場に登場したものの、当初は重くかさばり高価であり、布製のおむつにとって代わるには競争力に欠けるものでした。しかし、P&Gは他社に先駆けて軽量化や履き心地の向上、高分子ポリマーを用いた高性能吸収剤の導入を進め、改良を重ねていきました。その結果、1980年代後半には現在の紙おむつの原型が完成し、全世界でトップシェアを獲得しました。

日本における展開

パンパースは1977年、福岡県・佐賀県でアメリカから輸入したモデルの試験販売を開始しました。1979年から全国販売を開始したものの、高価格により初めは売れ行きが心配されていました。しかし、試供品の配布などの積極的なPR活動が功を奏し、難解な布おむつの洗濯から解放された多くの日本の母親に受け入れられることとなり、突如として市場に革命をもたらしました。特に産院ではパンパースの導入が進み、現在でも7割のシェアを占めています。

一時は市場の90％以上を占める寡占状態にあり、他社製品よりも高めの値段設定がされていましたが、その後国内メーカーの参入によりシェアは徐々に低下しました。1982年には兵庫県に工場が設立され、日本向けの商品開発が進められました。2000年代には流通コスト削減に取り組み、製品価格の引き下げを図る姿勢が見られ、2004年には他社製品との価格差をほぼ解消しました。さらに、特定のCMや広告を通じて価格の手頃さをアピールするなど、積極的な市場戦略が展開されました。

製品群とキャラクター

パンパースは様々なニーズに応える製品群を展開しています。新生児から使える「コットンケア」や、「パンツ」タイプの「フィットパンツ」、「卒業パンツ」など、年齢や体重に応じた商品があります。また、病産院専用の製品も存在します。

キャラクターとしては、80年代から90年代にかけて「おむつくん」というキャラクターが登場し、2000年代には「パンパ」というゾウの男の子が愛されました。明るい性格で、友達を応援する優しさを持つパンパは、テレビコマーシャルやイベントで活躍しました。同様に、「ピンクちゃん」という女の子のキャラクターも登場し、パンパと連携してさまざまなキャンペーンに参加しています。

最近では、パンパースはベネッセコーポレーションとの業務提携により、キャラクターを「しまじろう」に変更し、新たな展開を見せています。

社会貢献活動

2006年以降、パンパースは日本ユニセフ協会と連携し、商品の購入に合わせて開発途上国に途上国の破傷風ワクチンを寄付するキャンペーンを行っています。2008年までに約2450万円もの寄付を行うなど、積極的な社会貢献活動を展開しています。

国際的な展開

パンパースは中国でも成功を収めており、急増する富裕層が同製品を求めて国内でもトップシェアを獲得しています。一方、韓国ではP&Gがパンパースとは異なるブランドで紙おむつを展開していましたが、2000年代後半には同事業から撤退しました。

まとめ

パンパースは、赤ちゃんの育成をサポートするだけでなく、母親の負担軽減にも貢献する商品を展開してきました。単なるおむつブランドを超え、育児支援や社会貢献に取り組む姿勢が、世界中の親たちに支持されています。今後もその進化が期待されます。

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