ピノクル

ピノクル (pinochle)

ピノクルは、アメリカで広く親しまれているカードゲームで、特にトリックテイキングジャンルに属します。典型的なプレイスタイルは2チームに分かれ、4人で競い合います。ピノクルには特有のルールと点数計算があり、戦略的思考が勝利に繋がります。

ゲームの概要

ピノクルは、スカート（スカト）などのポイントトリックゲームに類似していますが、使用するカードに独自のルールがあります。特に、低位のカードを用いないことや、エースに次いで10が強い点が特徴的です。アメリカ国内では、ピノクル専用の48枚組のトランプも販売されており、ゲームをさらに楽しむことができます。

必要なもの

このゲームを楽しむための必需品は以下の通りです。

- プレイヤー：4人（対になる2組のチーム）
- トランプ：各スートの2～8を除いた2組のトランプ（各スートの優先順位はA、10、K、Q、J、9）

ゲームの進行

最初のディーラーは任意の方法で決定します。ディーラーはすべてのカードを3枚ずつ配り、最初のビッドはディーラーの左隣のプレイヤーから始まります。ビッドの際、チームが取りたい点数を宣言する必要があります。最低のビッドは15点であり、必要に応じてパスも可能です。最後に一番高いビッドをした人がディクレアラーとなります。もし初めの3人全員がパスした場合、ディーラーは自動的に15点のビッドを行わなければなりません。

ビッドが終了すると、ディクレアラーは切り札のスートを決め、全プレイヤーはメルドの点数を得るためにカードを公開します。公開メルドには全てのカードを示す必要がありますが、プレイが始まる前に手札に戻します。

プレイのルール

ディクレアラーが最初のトリックをリードし、プレイヤーは時計回りに順番にカードを出します。切り札がない場合は、台札のスートに従い最強のカードをプレイする必要があります。切り札が出された場合、最も強い切り札を持つ人がそのトリックを取ります。取ったトリックは裏向きにし、各チームでまとめて保管します。

プレイヤーは次のルールに従ってカードを出します：

- 台札のスートがあればそのスートを出す。
- 台札のスートがない場合は切り札を出す。
- 台札も切り札も出せない場合はどのカードでも出せるが、一度出された最強のカードに勝てるカードを持っている場合はそれを出さなければなりません（1〜2の制約あり）。

ゲームの終了条件

得点集計が行われ、いずれかのチームが150点以上に達した時点でゲームは終了します。両方のチームが150点以上である場合は、最も最後にディクレアラーであったチームが勝利となります。

メルドの種類と得点計算

メルドは各チームが持っている特定の組み合わせによって得点を蓄積するシステムです。メルドの種類とその得点は以下の通りです：

- ラン（run）：切り札のA、K、Q、J、10があった場合は15点（2組ある場合は150点）
- ロイヤル・マリッジ（royal marriage）：切り札のK、Qがあった場合は4点（2組で8点、ランと重複はカウントしない）
- マリッジ（marriage）：切り札以外のK、Qがあった場合は2点（2組で4点）
- エース・アラウンド（aces around）：各スートのAがあった場合は10点（2組で100点）
- キング・アラウンド（kings around）：各スートのKがある場合は8点（2組で80点）
- クイーン・アラウンド（queens around）：各スートのQがあった場合は6点（2組で60点）
- ジャック・アラウンド（jacks around）：各スートのJがあれば4点（2組で40点）
- ピノクル（pinochle）：Q♠とJ♦があった場合は4点（2組で30点）
- ディース（dix／deece）：切り札の9があった場合は1点（2枚あれば2点）

次に、各チームはそのゲームで獲得したカードの点数を集計します。カードの得点体系は、A、10、Kにそれぞれ1点、それ以外は0点です。さらに、最後のトリックを取ったチームは1点が追加されます。このルールによって、1ディールの得点は最大25点になります。ただし、ディクレアラーのチームがビッドの点数に達しなかった場合、メルドの点数だけがマイナスされ、ビッドが失敗したことになります。チームがまったくトリックを取れなかったとき、ディクレアラーであればビッドの点数がマイナス、そうでなければディールの得点は0点となります。

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