フランス王国(Royaume de France)は、かつて存在した
ヨーロッパの君主制国家の一つで、その歴史はフランク
王国の時代にさかのぼります。国の象徴として「Montjoie Saint Denis!」という標語があり、
国歌は「Vive Henri IV」と称され、王室歌は
ラテン語で「Domine salvum fac regem(神は偉大な王を守る)」と歌われました。
起源と歴史
フランス王国は、10世紀以降に成立した西フランク
王国から派生した名称であり、もともとはフランク
王国の発音から来ています。イェーハー・カペーが初代西フランク王として即位した
987年から、
フランス王国の名が広まり、
1789年の
フランス革命までの約800年間、王政が続いていました。
最初の統治者は
カロリング朝の
ロベール家でしたが、
987年に
ユーグ・カペーが王に即位し、
カペー朝が始まりました。初代の頃は権力基盤が脆弱でしたが、フィリップ2世やフィリップ4世の時代に
王権は飛躍的に強化され、周辺国との対抗も可能になりました。
1328年に至るまで、15代の王がこの王朝から誕生しました。
カペー朝断絶後、
ヴァロワ家のフィリップが即位し、
ヴァロワ朝が始まりました。
百年戦争が勃発し、国民意識が芽生えましたが、後の
イタリア戦争では苦境に立たされました。
1589年には、別の
カペー家の支流である
ブルボン家のアンリ4世が即位し
ブルボン朝が成立。ルイ14世の絶対王政の時代には国が繁栄を見ましたが、重税が国民を苦しめ、これが
フランス革命の引き金となります。
フランス革命後、
ブルボン家は一度追放され、ナポレオンの帝政を経て、復古王政が行われました。しかし、七月革命によって再び断炊されることとなります。
最終的に
1848年の二月革命によって
フランス王国は滅亡し、第二共和政および第二帝政が成立しました。国民の不満が高まり、貧富の差が拡大したことが背景にあります。
1789年から
1848年にかけての革命の連続で、
フランスの君主制は完全に終わりを告げました。
サリカ法と王位継承
サリカ法によって、女性による王位継承が禁止されていたため、
フランス王国では常に
ユーグ・カペーの直系の男子が王位についてきました。この法律は
フランス王国の独特な特徴です。近代では、
王党派は
オルレアン家やスペイン・
ブルボン家を支持する二派に分かれ、共に
王政復古の可能性を望んでいます。
領土の拡張と宗教
フランス王国は領土の拡張を重ねた時代であり、特にノルマンディー、
アンジュー帝国などを経験しました。宗教に関しては、長い間ローマカトリックが主流でしたが、時代によって信仰も変わりました。
フランス王の
戴冠式はランスで行われました。これは、初代フランク王クロヴィスの洗礼を記念するものとされ、
王権の正統性を保つ重要な儀式でした。このように、
フランス王国は歴史、文化、宗教的背景が複雑に絡み合った国でした。