フルスクリーン

フルスクリーンとは

フルスクリーン（英語: Full screenまたはfullscreen）は、画面アスペクト比を示す文脈において、初期の標準的なテレビ画面やコンピューターモニターで使われた4:3（1.33:1）の比率を指します。この4:3のアスペクト比は、映画用フィルムとして最も使いやすかったため、フィルムの標準となりました。しかし、1990年代から2000年代にかけて、よりワイドな画面である16:9のアスペクト比が人気を集めるようになりました。

フルスクリーンへの変換

元々4:3のアスペクト比で作成されたフィルムは、フルスクリーンでリリースするために特に変更を加える必要はありません。しかし、それ以外の異なるアスペクト比を持つ映像をフルスクリーンで表示するためには、いくつかの変換手法が用いられます。

パンアンドスキャン: フィルムの左右をトリミングすることで、元のフレーム内から4:3の画像を抽出します。これにより、映像の一部が表示されなくなる場合があります。
オープンマット: 撮影時に記録された、劇場公開を意図していなかったネガフィルムの部分から4:3の画像を抽出します。これにより、オリジナルの映像よりも広い範囲が表示されることがあります。
リフレーミング: 画像内の要素を再配置する手法で、特に要素を容易に移動できるCGムービーでよく用いられます。これにより、4:3の画面に合わせて映像が見やすいように調整されます。

歴史

動画カメラの発明以来、標準的なテレビの全画面アスペクト比として4:3が使用されてきました。初期のコンピューターモニターも同じアスペクト比を採用し、無声時代の35mmフィルムにもこの比率が使われていました。また、オプティカルサウンド・オン・フィルムの登場後、映画芸術科学アカデミーが標準として定義した1.375:1のアカデミー比率に非常に近いものでした。

テレビをこのアスペクト比に合わせることで、元々35mmフィルムで撮影された映画は、初期のテレビ（1940年代と1950年代）でも十分に視聴可能でした。しかし、映画館の観客数が減少した際、映画業界はテレビとの差別化を図るために、ワイドスクリーンのアスペクト比（例えば1.85:1）を導入しました。

21世紀初頭になると、メーカーが最新の高解像度テレビ、放送用カメラ、コンピューターモニターにおいて、16:9や16:10のアスペクト比を支持するようになったため、放送局は世界中で4:3の標準を段階的に廃止し始めました。

関連項目

画面アスペクト比
* 16:9のアスペクト比

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