ブユ

ブユについて

ブユ、または蚋（あぶ）、蟆子（ばこ）、英名でブラックフライとして知られる昆虫は、双翅目に属するブユ科（Simuliidae）の生物群を指します。一般に知られているように、この昆虫は哺乳動物や鳥類から血を吸う衛生害虫として広まり、日本では地域によって「ブヨ」や「ブト」と呼ばれることもあります。

生態

ブユの成虫は約3～5mmほどの大きさで、透明な翅を持ち、その体は黒っぽく、丸みを帯びた形状が特徴的です。日本には約60種が生息し、特にアシマダラブユが全国的に見られ、キアシオオブユは北海道、本州、九州に分布しています。

春に羽化する成虫は、近くの水辺や水中に卵を産み付け、約10日後に孵化します。幼虫は清流の岩や水草に吸着し、3～4週間後に水中で蛹になって羽化します。成虫は積雪時を除き一年中活動していますが、特に春から夏（3月～9月）にかけて活発に見られます。夏場は気温の低い朝夕に出現し、昼間はあまり活動しませんが、湿度の高い曇りや雨の日には時間を問わず活動することがあります。また、服の色にも寄り添い、黒や紺などの暗い色に惹かれる傾向があります。

幼虫は清浄な水質が必要で、水質汚染に敏感です。そのため、近年の公園などでの水質改善によって郊外の住宅地でも見かける機会が増えてきました。

害

ブユのメスは吸血を行い、皮膚を噛んで流れ出た血を舐め取りますが、その際に吸血の影響として赤い出血点や腫れが生じることがあります。初めはそれほどかゆみを感じないことが多いですが、数時間後には激しいかゆみや腫れが発生することが多いです。これらの症状は、体質によって異なるものの、通常は2～3倍に膨らみ、疼痛や熱を伴うことがあります。これは「ブユ刺咬症」または「ブユ刺症」と呼ばれる状態で、場合によっては腫れが1ヵ月以上続くこともあり、治癒するまでに数年かかることもあるため注意が必要です。

特に、多くのブユに吸血された場合、リンパ管炎やリンパ節炎、それに伴う呼吸困難などの重篤な症状を引き起こすこともあります。ブユの被害を予防するためには、特に野外活動を行う際には注意が必要です。

まとめ

ブユはその特徴的な生態と吸血行動で知られる昆虫ですが、感染症やアレルギー反応を引き起こす可能性もあります。詳細に観察し、適切な対策を取ることが重要です。

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